ミドボン
CO2添加を行うのに小型ボンベを使うこととミドボンを使うことを比べるとしたら、
- 経済性
- 信頼性
- 管理の手間
- 安全性
- 設置スペース
- 美観
などの点についてですよね。
少なくとも上3つの項目は、総合的に見て「圧倒的」にミドボンの方が優れていると思います。
まずは経済性について、
例えばどちらも出来るだけ安くCO2を手に入れるとして、小型ボンベ(74g)は400円くらいですかね?かなりの特売で10本単位とかでまとめ買いして。
方やミドボンは、5kgで2000円〜5000円って感じですか。
もちろんボンベ関連の値段は別ですよ。あくまでガスの値段です。
そうすると、ミドボン5kgは小型ボンベの約67本分。
67本の小型ボンベは、約27,000円。いつもチョー特売で入手できるわけじゃないから、実際は3万円を余裕で超えますね。
ってことは、6倍〜15倍くらいは、とにかく比べるまでも無いってくらいもう圧倒的にミドボンの方がガスのコストは安く付くわけです。
さらに実際には通販で買ったりすれば送料とかもいちいち掛かるしね。
もちろんミドボンはイニシャルコストが...最初にボンベを入手する時に、デポジットに相当するものがちょっと掛かるってこともあります。
満タンのボンベを手に入れるのに、ガスの値段に相当する分を除いても、5000円〜1万円弱くらいのイニシャルコストが余計に掛かります。
レギュレーターなどの値段は、小型ボンベ用もミドボン用も高いのも安いのもあるので、比較しても意味無いですね。
なんにしても、ある程度以上の期間水草水槽をやろうと言うならトータルに見ればどっからどう考えたってミドボンの方が遥かにおトクなわけです。
次に信頼性ですけど、
これも圧倒的にミドボンの方が信頼性が高いです。
というより、小型ボンベのシステムは問題がありすぎます。
どういう点がミドボンと比べて問題があるかというと、
- ボンベを頻繁に抜き差しする。ボンベをねじ込んで行ってパッキンに押し付ける構造なのでパッキンが傷みやすい。
パッキンを痛めてしまうと、例えばそれまで1ヶ月添加できていたのに数日でボンベが空になるとかってことが起きる。
ちなみにパッキンも500円とかするので、その見落としがちなコストもバカにならない。 - 耐圧チューブをワンタッチ継ぎ手が付いた電磁弁やスピコンなどにつないでいく。ワンタッチ継手は本来は信頼性が低くはないが、ボンベ交換でチューブがつながったまま動かすことになるので、継ぎ手とチューブ接続部に負荷をかけることになりがち。そうするとそこから漏れが発生しやすくなる。
つまり、頻繁にボンベを交換するほどに、どんどん信頼性が落ちていくわけです。
月に1回交換だとしても年に12回も、パッキンをこじり、継ぎ手のところを揺り動かして負荷をかけるわけです。
なので、割とその信頼性についてボンベを交換する度に、今回は大丈夫かな?って心配しなきゃいけないんですよね。
だいたい1秒1滴とか添加してたら小型ボンベは1ヶ月なんてとても持たないですよね。
次に管理の手間ですが、
これも比較することがバカバカしいほどミドボンが圧倒的に有利ですね。
一度セットすれば数年も交換しないで放置できるミドボンと、数週間とか1ヶ月ちょっととかで交換し続けなければならない小型ボンベじゃね。
当然、CO2を切らしているのに気が付かないで過ごしてしまった...なんて状況も小型ボンベの方が起きやすくなるわけです。
この問題って、例えば1秒3滴くらいにしてみたいな...なんて思っても、小型ボンベだとコストを無視したとしても手間の面から見てかなり厳しいですよね。つまり小型ボンベだとCO2添加について打てる手が減っちゃうんですよ。ミドボンなら1秒3滴添加も余裕ですからね。
次に安全性。
これはどっちもどっちですかね。
しっかり手を打ってさえいれば、どちらかと言えばミドボンの方が安全性が高いと言えるかも。
小型ボンベで安全性が問題になるとしたら、ボンベの取外し取付の時にマイナス50度のガスが噴出して手を痛めるとかってことですね。
例えば、CO2ストーンが詰まって添加されなくなっただけなのに、ガスが切れたと勘違いしてボンベを外してしまって、ガスが噴出して慌てちゃうとか...ってことも十分にあり得ます。
ミドボンはボンベにバルブが付いているから、こういうことは起こりえませんね。よっぽどのドジっ子じゃなきゃ。
ただ、ミドボンは、大きく重いので、地震の時に転倒して... ...なんてことが事故の原因になり得ますね。
さらにその上に万が一でもレギュレーターが破損してガスが噴出なんてことがあったとしたら...そりゃー怖いです。
そうじゃなくても、重たいものが倒れたり、地震の状況によっては吹き飛んで来るのは怖いですね〜。
揺れ方によっては冷蔵庫だって飛んでくることがあるわけだから。
でも、これはしっかり固定すれば良いだけ。
例えば、がっちりした水槽台の足とか壁とかにチェーンとかで繋いでおくとかね。
あと、万が一火災とかで高温にさらされると、内圧が高まって吹き飛んで、まるで大砲の弾のような破壊兵器になることも無いとは言えないですかね?...実際には、安全装置付いていて吹き飛ぶくらいなら...ってことで、ガス圧を抜くためにガスが急速噴射されるわけですが。
消火に役立ちますね。って、その前に人が周囲にいたらヤバイですが。でもなんにしても、そんな場合は火災自体の方がよっぽど問題ですね。
万が一の万が一の時はともかく、現実的に・割とあり得る状況を考えたら小型ボンベの方が安全とは言えないですね。
次に設置スペースや美観の問題。
これはもう圧倒的に小型ボンベの方が有利ですね。
オシャレな30cm水槽の横に置く...なんてことをイメージしたら、ミドボンはあり得ません。
でも、5kgボンベの背の低いタイプ...50数センチ...であれば、大抵のキャビネットの中に入れられるので、隠せちゃうので問題なしですね。
トータルに考えれば、60cm水槽以上なら...40cmでも水量があってキャビネットの上に置く必要があるものなら、ミドボンにするしかないでしょう。
小さい水槽で、添加量も少なくてというなら、小型ボンベの方が良いかもしれません。
では、実際にミドボンを入手する方法ですけど、
主に3パターンあるかなって思っています。
- 酒屋ルートでレンタル
- 酸素屋で購入
- 水草水槽向けに販売しているものをネットなどで購入
この中で、あまり現実的とは思えないのは、酸素屋で購入です。
ボンベを購入し、酸素屋でガスを充填してもらい、法定検査も自前で(酸素屋に委託して)行う方法です。
検査コストの問題・イニシャルコストの大きさもありますけど、充填や検査期間などでミドボン無しの時間が大きくなるってことが問題ですね。
次に難しいのは酒屋でボンベレンタル。
知り合いの酒屋でも居れば別ですけど、そうじゃないと、そもそもが酒屋がボンベを貸すしくみを支えているのは、ビールサーバー用にビール会社が出しているからで、本来ビールを売るためにビール会社が負担している部分...つまり販促費みたいなものです。ボンベの法定検査費用もビール会社負担だし。
なので、最近はビールサーバー用以外への貸出をどんどん排除するようになってきているようですね。
もちろん、出来るならこれが結果的に最も安くあがる方法なんですけど。
最後に、ちょっと...かなり割高だけど一番お気楽でいられるし、ボンベ無しの時間をゼロにできるのが、「水草水槽向けに販売しているものをネットなどで購入」するパターンです。
「ミドボン 水草」なんていうキーワードで検索すればネットショップがいろいろ出てきます。
これは、ガスが充填されたボンベを購入するものです。
ただし、空のボンベを返却するとボンベの保証金を返してくれる・買い取ってくれる...つまり、事実上のレンタルシステムですね。
こういうしくみだから、ガスが切れそうになってきたら、新しいボンベを注文して届いたらボンベを交換して、空のボンベは後で送り返せばボンベ代を入金してくれるっていう使い方になります。
なので、ボンベが無いっていう時間をゼロに出来るんですよ。
かなり割高だと言っても、小型ボンベを使うことに比べれば遥かに経済的だしね。
ミドボンの導入を検討している人の多くは、いきなりミドボンではなくて、ひとまずとりあえず小型ボンベで始めてみたけど...って人も多いでしょう。私もそうでした。
そういう場合は、小型ボンベ用のシステムをそのまま活かせる...小型ボンベ用のレギュレーターをミドボンに接続できるアダプターが売っているので、これを購入して、ミドボンを入手すれば簡単に始められます。
接続アダプターは、写真のようなニップル・ナット分離型と一体型がありますが、私は分離型のほうが圧倒的に良いと思います。
ひとつは、ミドボンとの接続時にパッキンをこじらずに済む・まっすぐ押し付けることが出来る...比較的パッキンが傷みにくいということ。
もうひとつは、レギュレーターを好きな向きで固定できること、ボンベ交換の時に、レギュレーターからチューブを外して、レギュレーターごと回してボンベに取り付けて、またチューブを取り付け直す...なんていうことをしなくて済むということですね。
実際の設置については、
まずは、地震でボンベが倒れたりして事故を起こさないように、水槽台の足や壁に付けたフックなどにチェーンやベルトで固定しておいた方が良いですね。
しっかりと漏れがない状態で接続できているかどうかのチェックなどは、こちらを見て下さい。
たまにかなり短い期間でボンベを空にしちゃう人がいるらしいです。
って、私自身も旅行に出かける直前にいい加減な漏れチェックしただけでセットして出かけたら、数日して帰ってきたら1/3もガスが減ってたっていうヘマをやらかしています。
長く使えるものなのだから、最初の取付・漏れチェックはしっかりやりましょう。
最後に導入にあたって必要なコト・モノを、既に小型ボンベでCO2添加していることを前提にして、もう一度整理すると、
- 安全な設置場所の確保。ミドボン固定方法を決める。
...私は水槽台の足と部屋の壁にベルトで固定できるようにした。 - 入手先の確保・ミドボン入手
- 小型ボンベ用レギュレーター接続アダプターの入手
- ミドボン設置場所から水槽まで距離が増えてしまう場合は、その分の耐圧チューブを入手。
- レンチの確保 30mm以上開くモンキーレンチが便利。
これだけです。
アクアリウム用のCO2添加システムは、
国内最初は、あきらかにADAが1987年に製品化しているけど
(世界で最初?デュプラも世界初とか言ってるけど1988年ですよね)、最初はそもそもアクアリウム用じゃないものを転用して始まっているわけですね。それはまー当然として、
でも、始まってから30年近く経ってるのに、あまり進化していないんですよね。いやいろいろと細かいところではちょっとずつ進化しているけど、ボンベやレギュレーターとかは相変わらずって感じです。市場規模が小さいのと、ある程度今の規格が浸透しちゃったからいじりにくいのはわかるけど、
ドイツのメーカーとかだともっと適当なサイズの取り扱いしやすそうで見た目も美しいボンベとか出しているじゃないですか。
日本に入ってきてないけど。
スマートなカッコイイ、安全性にも優れた、2kg...小型ボンベ26本分とかのサイズで、取り扱いし易い...ちゃんとバルブがついたボンベとか普及しないんですかね。
この市場規模じゃー厳しいですよね。出てきたとしてもかなり割高になっちゃうだろうし。
5kgの背の低いミドボンが普及しているってことだけでもありがたいことだと思わないとね。ビールメーカーのお陰だけど。
管理人 (土曜日, 11 2月 2017 21:46)
774さんこんばんは。
>小型レギュレータのパッキンは入手ルートを選べば一個15円以下ですね。
そうですね。
ただ、ちゃんと選べているのか自信が無いから、アクアショップで売っているのを買っちゃうわけですけど。
774 (金曜日, 10 2月 2017 23:52)
小型レギュレータのパッキンは入手ルートを選べば一個15円以下ですね。
Co2単価はミドボン 発酵式 小型ボンベ順なのはたしかですが。