ブログ記事(2013.5.17’)から転載。

 

 

クーラー選びと設置

クーラーを実際に購入する視点で書いてるところって、あまり無かったかもってことで、ちょっとだけ。

まず気にしておくべきは、
●水槽の水量と目標水温に冷却力が対応できるか。
●クーラーの適合循環水量とフィルターの流量のバランス。
●サイズ。
●動作音。
くらいですよね。もちろん、値段や電力消費量、デザインなども大事だけど、ちゃんと機能しないとしょーがないですから。

まず冷却力ですけど、小型カラシンとかエビ、水草とかが入った60cm規格水槽で、フツーの日本の家屋・日本の夏を過ごす…ってことだと、くどくどリクツ書いてもしょーがないので、事実上、ZC-100 とか Cool Way 100 あたり…以上の冷却力がないときついみたいですね。
ZC-100で、室温(クーラーの周辺温度が)35度の時に水温25度に維持できるのは、水量70リットル以下ってことになっています。
飼ってるのが日淡とかでかなり設定温度を下げなきゃならない場合は、これらだと完全に力不足になりますね。
そうじゃなくても、日差しが入る部屋とか、猛暑日の閉めきった部屋とか、照明の熱が大きい場合などだと、このクラスだと設定水温まで下がらないこともあるらしいですね。そのあたり心配なら、もう一クラス上が必要になりますね。ZC-200とか。

次に適合循環水量ですけど、外部フィルターに接続する場合には、その流量をチェックしておいたほうが良いです。
例えばウチのZC-100だと、循環量 7~15リットル/分(420~900リットル/時)で、フィルター:エココンフォート2236が600リットル/分ですから、流量低下がなんだかんだで30%あったとしても適合しますよね。
ところがこれを40に繋げているエココンフォート2232に繋げると、流量低下が無くてギリギリ、流量低下があったらアウトです。

フィルターのパワーが無いと使えないのかって言えば、いろいろネット上見てれば気にせず使ってる事例もけっこう載っているけどね。

ちなみに、ペルチェ式のテトラクールタワーだと、適合循環水量はかなり小さくなって、横置きの外部フィルターとかでも対応しています。
値段とコンパクトさ以外に良いところが無さそうなテトラクールタワーですけど、循環水量考えたら、やっぱりこっちを選んでおいたほうが良いってこともありますよね。特に小さい水槽だと。
それと、もうちょっとクールタワーの擁護ですけど、クールタワーは「25度固定」って書いてあるところがけっこうありますけど、それはけっこう古い機種の話です。今出てるのは全部水温設定が可能です。
うちも27度設定にしてます。

次にサイズですけど、クーラーは意外に場所を取ります。
底面だけじゃなくて高さも気にしたほうがいいですね。
パイプの取り付けが上だから、そこにダブルタップ付けたりすると、けっこうな高さになります。パイプが折れずにラックに収まるか?ってチェックしてみたほうがいいです。
ちなみにうちでは、ZC-100の場合、ZC-100のパイプの取り付け口のすぐ上にダブルタップ付けて、ラックに押し込んだら、高さが足りなくてパイプが折れ曲がっちゃいました。なので30cmくらいのパイプの先にタップ付けてます。

動作音ですけど、これはまー、「比較的静か」って言われてるZC-100でも、それなりに五月蝿いですよ。
でも、ファンとか、クールタワーなんかと比べれば、遥かに、もう遥かに静かですけど。隣の部屋なら真夜中でもよほど耳を澄ませないと動いていることがわからない…そのくらいです。
水槽をどこに置いてるかとかにもよりますけど、リビングとか寝室とかにあるのなら、動作音は極めて重要なスペックですよね。
でも、残念ながら私が比較できるのはこれだけ。他の機種は知らないのでなんとも言えません。

実際に設置する時ですけど、ダブルタップ一組とパイプを買っておいたほうが良いです。
1年中繋ぎっぱなしだと中が汚れるのが早くなりますよね。簡単に取り外せて、メンテナンスも簡単にできるようにするためには、ダブルタップ付けておいたほうが良いと思うので。

実際の繋ぎ方は、フィルターの排水口側に付けるのが基本ですね。
水槽給水口 → ダブルタップ → フィルター → ダブルタップ → クーラー → ダブルタップ → 水槽排水口
フィルターにダブルタップ付いている前提で、ちょうど一組(他のダブルタップと組み合わせられる)ダブルタップを追加すれば良いわけ。

設置場所ですけど、
閉めきったキャビネットの中とかあり得ないですね。
水槽水から奪った熱がどんどん排熱されていくわけですから。
でもって、そういう設置をすると、例えば、真夏だとクールタワーは動きっぱなしでまるで効かないって状態になると思いますし、
周囲の温度が高くなっていくとかなり急速に効率が落ちていくっていうことですから。排熱が篭るような設置はあり得ないです。
もしキャビネット内に置くなら、背面や側面から少しは空気が動かせる状態を確保した上で、前面のドアを外して、排気口を外に向けて設置するしかないですね。

最後に、小型水槽で、循環水量とか設置場所とか考えたら、ペルチェ式のクーラーを選ぶしかないな…騒音とチラー式と比べて遥かに掛かる電気代を考えても…って時に、
それなら、やっぱり冷却ファンって選択肢も出てくると思います。

冷却ファンは、けっこう、想像以上に冷やせます。
27-8度の維持ならけっこうできます。(ウチの…南関東の南向きの部屋の場合)
もちろん、最大の熱源であるライトのリフトアップとかもやった上でのことですけど。
但し、それは湿度が低い時の話で、雨が降ってムシムシした湿度が高い日とか、もうダメダメです。
それでも、例えば、その部屋に人が長いこといてエアコンつけてることが多くて、部屋の構造上からもそれほど著しく温度・湿度があがることが少ない…なんて条件だと充分にいけちゃうかもしれません。
実際、うちでは昨年けっこう大丈夫でしたから。

ただ、クーラーにしておくと安心感がまるで違うってのはありますけど。

ファンを付けた水槽だと、ちょっと旅行に行って帰ってきたりすると、ものすごく…慌てちゃうくらい水槽の水が減っていたりするし、そもそも旅行中の締め切りの部屋で、水温がどうだったのかって想像するとちょっと怖いし。
うちの場合、普段は人がいるので、それほど部屋が高温になったりしないんですよ。
でも、締め切りの部屋だと、日によっては40度ちかくまでなっていることも無いとは言えないですよね~。なら水温は?ライトがある分もっと高いかもしれないですよね?
最近は、35度超えちゃう猛暑日がいっぱいあるのとか思うと、やっぱりファンだと怖いですよ。

もっともエビはともかく魚の場合は、著しく高温になるとかでもなければ、ちょっと暑いってのは数日続くくらいなら大丈夫だとか言われてますが。
冷却ファンで対応できない本当に暑い時は、ライトの消灯とエサのカット(食べると活動的になって酸素消費量が増える・バクテリアのエサも増えてさらに酸素消費量が増える)、エアレの強化とかでやり過ごすとかね。

それと水温が安定していると魚の寿命も伸びるみたいですね。