グロッソスティグマ エラティノイデス

 

グロッソスティグマ エラティノイデス。

真正双子葉類ゴマノハグサ目ゴマノハグサ科グロッソスティグマ属。

オーストラリア原産。

最近は、流出・帰化しちゃったのが日本の川とかでも繁殖しているところがありますね。温帯植物だから、冬越せちゃうしね。

うちのスイレン鉢でも冬越しするし。

 

ミニグロッソってのも出てますけど、あっちは、バラ亜綱キントラノオ目ミゾハコベ科ミゾハコベ属(AGP)なので、見た目は大きさ以外そっくりだけどかなり遠縁ですね。

 

前景用の水草としては定番中の定番。ある程度の環境を揃えれば、育てるのはもちろん、ビッチリ這わせて絨毯をつくるのも簡単です。

 

基本的には、かなり幅広い環境に適応するけれど、元気に育てるには、やっぱりpH、硬度はあまり高くならない方が良いです。できれば弱酸性、軟水に。

CO2は無いと絶対に育たないということはないけど、入ってるのと無いのとじゃ大違いですね。やっぱり入れるのが基本でしょう。

 

ビッチリ這わせようとするなら、光量が大事だ!って良く書いてありますよね。それはその通りで、光が足りないと這わずに立ち上がっちゃうわけですが、光だけ多ければ良いってわけじゃないです。

 

グロッソはかなりの肥料喰いで、しかも根からの吸収が大事です。

だから、底床の栄養が十分に無いとダメですね。

逆に底床の栄養が十分だと、けっこう暗めなところでもビッチリ這い進んだりします。特に窒素、リンですね。

 

底床

 

なので、光量の確保と合わせて栄養豊富なソイルを使うことが、確実にビッチリ這わせていくことの近道です。

今回の60の方の立ち上げで使った水草一番サンドは、熔リン酸が添加されています。ソイルだとどうしてもリンを強力に吸着固定しちゃうので特にセット初期はリン不足になりがちになるわけですけど、熔リン酸が添加されていればバッチリですね。

ちなみに熔リン酸は、水には溶け出さないので安全です。

水草の根が触れて(根が出す酸で)溶け出す肥料です。

 

実際、成長速度もすごかったけど、光量が少なめになって以前の環境なら立ち上がっちゃうようなところでもよく這い進んでくれました。

 

底床の肥料が切れてくると、グロッソの葉が小さく、色も悪く、勢いもなくなってくるので、分かりやすいですね。

 

こうなってきた時に、底床に窒素・リン系を含む肥料を入れてやると、そのあたりだけ、ヒジョーに分かりやすい感じで、また元気になってきます。

 

窒素は豊富だけれどもリンが少ないという場合は、この写真のようにランナーが少なく縦に伸びるようになります。

こうなっても上から見た時の印象は、それほど大きくは変わりませんけどね。でも、盛んにランナーを出して這っている時の方があまり凸凹せずに滑らかな印象にはなります。

 

植え方は、キレイにつくるならやっぱり一本一本田植えしていくのが良いのでしょうけど、めんどくさいですよね?

一本一本、丁度二節くらいで取り分けて、下の段の葉が隠れるくらいまでソイルにピンセットで差し込んで…。でも、エビがほじくり返して次の日に見ると折角植えたのが沢山浮いている…とか。

 

私は面倒なので塊のシートを底床面において、上からソイルとかかけて半分埋めるような感じにしちゃいます。

最初はあまりキレイじゃないけど、1ヶ月もすれば絨毯になってるので良いでしょ?

これは詳しくは以前に書きましたよね。

 

もし問題があるとすれば、古い葉の持ち込みが多くなるので(最初に持ち込んだものが水上葉の場合は特に)、黒ヒゲが出やすくなることくらいです。黒ヒゲは見つけたらカット!で大丈夫です。(…おそらく。少なくともウチではそうしてます。)

 

何段も折り重なるように増えていくわけですが、あまり厚みを付けちゃうと、下の方が傷んで再生させにくくなるし、汚れも溜まるし、コケも出やすくなるので、3段くらいになったらさっさとトリミングした方が良いですね。

トリミングしてみたら、それほど厚みが付いていたわけでもないのに・前のトリミングから何ヶ月も経っているわけでもないのに、下のほうが傷みまくっているとしたら、カリウムカルシウム等のミネラル不足を疑ったほうが良いですね。

このあたりがちゃんとしていれば、少しくらい厚みがついていてもそんなに簡単に下葉が痛むこともないです。

一度トリミングすすると一回り小さな葉がビッシリ生えて、ちょっと密度感があがって滑らかな印象になります。

底床の栄養が豊富だと、そのうちにまた大きめの葉に戻りますけど。

 

グロッソの水上葉育成は、季節が良ければ簡単です。

真冬と真夏(の直射日光があたるところに置くのは)はキツイですが。

 

グロッソスティグマ水上葉

 

うちではチャームで生体買うと、発泡スチロールの箱に入ってくるじゃないですか?あの箱に、古いソイルを入れて、水をヒタヒタにして、トリミングをした後に浮いているグロッソをまき散らしておくだけで、グロッソの絨毯を簡単につくれました。

使い古しのソイルだったので、最初は成長が悪かったんですけど、水上葉なので適当な園芸用の肥料を入れたら、本当にあっという間に増えましたよ。

 

これをやる場合に気をつけるのは、最初に水中葉使う場合は、水を切らさないように気をつけることくらいですね。しっかり根を張って水上葉出す前に水が切れると枯れちゃいます。

 

一度こうやって大量にグロッソのシートをつくっておくと、メンテナンスとかに何かと便利です。

肥料入れて前景に穴を開けたとか、中後景草が前景に進出するのを放置して前景が狭くなっちゃったので、開墾してまた前景を広げたいとかって時とかに、ベランダから取ってきたグロッソのシートをはめ込めば良いんですから。

 

コメント: 3
  • #3

    早矢仕 (水曜日, 25 10月 2017 21:10)

    うちのは枯れてたんですけど カリウムとカルシウムを追肥してみます

  • #2

    管理人 (水曜日, 22 3月 2017 02:27)

    有賀さん こんばんは。
    私は、昼夜バランスをしっかり取ることで葉色が良くなることくらいしか確認できていないんですが、これ以外にもいろいろ関係ありそうですね。...リクツとしてはいろいろ関係して当然なんですけど。
    やっぱり教えてもらったグロッソの事例とかは参考になります。
    ありがとうざいます。

  • #1

    有賀 (水曜日, 22 3月 2017 00:08)

    こんばんは。我が家でも当初グロッソスティグマの育成に苦労しておりました。水槽リセット直後でソイルは新品、イニシャルスティックとアクアフローラを多めに植え込み、照明もA社の高光量LED照明、照射時間は15時から23時の8時間。だけど、グロッソだけほとんど成長しない。。。そんな状況が1ヶ月以上続きました。そんな時、当HPの「昼夜バランス管理」の記事を拝読させていただき、我が家の水槽も就寝前に囲いで覆う事にしたのです。簡便性を考慮し、ホームセンターに売っている黒い「プラダン」にて制作しました。3日後辺りからグロッソが新芽を出し始め、今ではすっかり匍匐し、豊かな水景を作りつつあります。グロッソもやはり昼夜バランスが肝心なのだなと知ることができました。新たな知見を与えて頂き、ありがとうございました。