タイガーロータス

以下は、2013年08月12日にブログにアップした内容を修正して再掲したものです。

 

--

 

夜咲睡蓮、エジプトスイレン、ナイルの花嫁、ニンファーロータス、タイガーリリー、エジプシャン ホワイト ウォーターリリー… ...。

 

名前の通り、アフリカ原産。エジプトの国花ですね。

 

エジプト神話では、世界は夜咲睡蓮から生まれたとされる。

催淫性あるいは幻覚性の効果があると信じられていて、媚薬の材料にもされた…

その他様々な薬効が期待されて各種のクスリに使われたり、食材、儀式用に使われて...

クレオパトラが最も好んで大量に使ったのは、スイレンから抽出した香料で...

ニンファー(ニムファ)は、ギリシャ神話の水の女神のこと。ロータスは、ロートス…食べると生きる苦しみを忘れて夢を見られる植物のこと。

ロータスといったら今ではまずはハスを指すけど、もともとはタイガーロータスのことを指した。

とかとか…

神話絡みとかの面白い話が沢山ある水草ですね。

適当に調べてみて下さい。

 

ちなみにスイレンをハスと区別して(ウォーター)リリーって言うのは主に北米ですね。

欧州は、ハスとスイレンのどちらもロータス。ちゃんと区別してないです。

 

40タンク

 

スイレンは当然ですが、「水没にも耐えられる」という類の水草ではなくて、「水上では生きられない」タイプの、少なくとも根は常に水に浸かってないといけない水草ですから、水中適応度が極めて高くて、極めて幅広い水質に適応しますし、CO2添加もあったほうが良いけど、無いとどうにもならないということもないという強さがあります。

底床も一定の栄養があれば幅広く適応しますけど、水中適応度が高い水草によくあるように、基本的には泥が好きです。

もう通水性も何もない。指もさせないくらいビッシリ粘土…みたいな底床でも…の方が元気に育ちます。

ニムファやサジタリアなんかは、大抵そうですよね。

 

ちなみに、スイレン用の肥料を水槽内で使ってる人をたまにネット上で見かけますけど、とんでもないことです!止めたほうが良いです。

なぜかというと、スイレンは屋外だと粘土化したような泥で育てるのが基本なので、水中への養分流出をあまり意識しなくて良いんです。

フツーはね。でも、ソイルのような通水性が高い底床でそんなもの使ったらどうなるか…って分かりますよね。

私は、スイレン鉢では、フツーの園芸用の肥料を使っちゃってます。粘土質の底床にしっかり押し込んで上も土で覆っちゃえば、いっきに肥料分が水中に流出したりしないからですね。

でも、水槽の中では、それではヤバイのでアクアフローラのような水槽用のものを使います。肥料の溶出がコントロールされているものですね。

 

ただ、ここがちょっとむずかしいところで、タイガーロータスは肥料分豊富な底床が好きなんですが、だからと言って気持ちよくあげちゃうと、バカでかくなるわけですね。

60cm水槽いっぱいにタイガーロータス一株のために使っても狭いっていうくらいに。

だからまー、肥料分は、チョビっとあれば良いのですよ。

とにかく大きくさせないようにしないと。

 

40タンク

 

その大きさもそうですけど、基本的には水草水槽用としては使いにくいものですよね。特にレッドタイプはやたらと派手だし。

少し葉が大きくなって光を遮りはじめると、下草はダメになっちゃうしね。

 

でも、レイアウトには使いにくいけど、その蝋を塗り込めたように艶々した赤い葉。裏葉にビッシリと付く大量の気泡。

それはそれは美しいです。うっとり。

 

タイガーロータス

 

大きくさせないという点では、もうひとつ重要なことが。

それは、さっきCO2添加無しでも大丈夫と書きましたが、それと矛盾するようですけど、水槽の中で水景の一部としてタイガーロータスを使うには、CO2添加は必須です。

何故かというと、暗くてCO2が少ないと、簡単に浮葉を出しちゃうんですよ。そりゃー浮葉を出せば、気中からCO2取り放題ですからね。つまり、CO2を入れないで放置すると、水面を覆って、水槽の中を真っ暗にしちゃうんです。

浮葉は出ても切っちゃえば良いのですけど、CO2無しで育ててて、浮葉をバシバシ切っていると、そのうち弱っちゃいますよね。

だから、結局のところ水草水槽で使うには、事実上CO2必須なんです。

 

タイガーロータス浮葉

 

つまり、フツーに水槽で育てるには、基本は、チョビっと底床肥料、適切な光量、CO2添加ですね。

 

もともと屋外でスイレン鉢をやったことがある人は分かると思いますが、春先のまだ水が冷たいころのスイレンは水中葉が主です。その後、水が暖かくなってくると徐々に浮葉が中心になって真夏にはほぼ浮葉しか出なくなります。

そしてまた寒くなってくると水中葉の割合が多くなってくる。

これは、水温そのものの変化でそうなっているというのもある...浮葉の方が気温変化の影響を受けやすい...とは思いますが、溶存CO2濃度の変化が大きいのだと考えています。

水は温度が上がるとどんどん溶存CO2濃度が下がっていきますから。

 

-- 追記

いま、いろいろ見てたら、強い光を当てるほど浮葉を出しやすい...って書いてるところもありますね。うーん、分からない。うちでは、底まで光が行かなくなると浮葉が出やすかったんですけど...。

追記 終わり --

 

浮葉が出ても良い、水中は暗くて良いという人なら、最初から粘土質の底床で、肥料もたっぷりやって、浮葉も出して…ってやっていれば、キレイな花も見れるし、それはそれでアリですよね。大アリ。

ショップでは、芋付きと芋なしが売っていますよね。

 

私は、芋付きは買ったことがないのだけど、芋付きの方が水槽環境により確実に適応してくれるんじゃないでしょうか。

葉が溶けても、水質に適応したのをまた出す余力があるはずだから。

ある程度の環境があれば、芋なしでも全く問題無いと思いますけど。

 

タイガーロータスの生命力にビックリしたのが、60水槽をセットした時に、前の水槽でランナーで出てきてた小さな芽を奥の方にぶち込んだんですね。…捨てるのは忍びなかったけど、でもタイガーロータスがあまり増えても困るし…くらいの感じで、周囲をいろいろな草が覆って、底床も栄養少なめのところで…

これ、案の定数週間で溶けちゃったんですよ。

芋があるわけじゃ無し、残ってても根が少しだけ。

これは終わったなと思ってたんです。

そうしたら、半年後に突然密生した水草の中から芽吹いて、今は60水槽の最近の写真に写ってるような状態です。

半年間、わずかな根だけで生き延びて、突然芽吹くんですよ。スゴイよね!

これでもけっこう葉をカットしてイジメてます。

60水槽でタイガーロータスがあまり主張し始めたら、もう何がしたいんだか分けわからない水景になっちゃうし。

 

タイガーロータスは、かなり長いランナーを地中深くで伸ばして、突然、本体からかなり離れたところから芽吹くことがあります。

最初に芽吹くのは、丸くないハート型というか矢尻型というかってかたちで、赤というより明るいくすんだオレンジって感じの色の葉です。

こんなに大きくなる水草がどんどん増えられても困るから、新芽は見つけ次第カットしちゃってるのですけど、来年とかタイミングよく新芽が取れたら、スイレン鉢を増やして、そこに植えてみようかなとか思ってます。

 

やっぱり花も見てみたいですからね。

温帯スイレンが昼咲きなのに対して、これは名の通り夜咲きです。

だから理想的には、やっぱり室内で育ててみるべきなのだろうけどね。

それに、タイガーロータスは屋外で日本の冬は越せないし。

 

タイガーロータスには、水中葉が赤くなるものと、緑色になるものがありますが、特に色以外の違いはなさそうですね。緑色のは買ったことがないけど。

自然な感じの水景をつくるなら緑、主役として主張させるなら赤って感じでしょうか。

コメント: 0