底床の構成と肥料分の考え方

C/N比を意識した遅効性肥料分選び

私は基本的に以下のような構成で底床を作っています。

下から、

  • 底床供給器
  • 腐葉土や草木灰などの養分を含ませたパミス(軽石)
    ...ADAのパワーサンドとかと同じような考え方ですね。
    パワーサンドは使ったこと無いけど。
  • 黒ボク土系のソイル

です。

 

考え方の基本は、

  • 高回転型である程度長期に維持するには、かなり多めの肥料が必要。
  • 養分の面などでソイルを厚めにしたいが、それでは底床内の嫌気化が進みやすくなる。通水性を維持するしくみが必要。
  • 通水性を維持するために、パミスなどを底に厚めに入れる。
    また底床供給器などで強制的な通水もできるようにする。
  • 底床肥料を後からソイルに突っ込むことで、ソイルの破壊を進めたくないので、予め緩効性・遅効性の肥料を十分に入れる。また、底床内に液肥の形で、窒素分鉄などミネラル分などを供給できるように底床供給器を使う。

こんなところです。

 

ここで悩むのは、ソイル以外の養分をどう仕込むかですね。

下手に突っ込み過ぎたら、養分過多でコケ地獄ですから。

 

これ、多様な水槽を踏まえて「具体的にこれをこれだけ入れたら良い」なんていうアドバイスはしようもないのわけですけど、私としては以下の点を特に意識しています。
...結局は経験と勘でやってるんですけど。

  • 立ち上げ期に集中換水などをやると早期に失われやすいカリウムなどのミネラル分を数週間以上かけて効いてくるように予め最奥に仕込んでおく。
  • 熟度を・炭素分の残量を意識した腐葉土の選択と仕込みの量決め。

 

まずは、草木灰などのミネラル分の仕込みについて。

立ち上げ初期は、ソイルからの養分溶出量も多いし、水草の活動も活発ではないので、水換えを頻繁に行う人も多いんじゃないでしょうか?私はそうです。腐葉土も入れているからということもあるけど。

養分溶出はカリウムなどの溶出が最も早く進むので、換水をし過ぎるとかなり早い時期からこれらが不足したりします。

そこで、イニシャルスティクとかリンを含まない草木灰などを底床の最奥に予め入れておくと、2−3週間後から効き始めるので丁度良いんですよね。

これは液肥添加で補うこともできますけどね。

 

次にここが一番肝心・悩みどころの緩効性の窒素分を・具体的には腐葉土をどんなものをどの程度入れるのか?

ってところです。

 

腐葉土はよく見ると、本当にいろいろなものがあるのですけど、一番気にするところは、生物分解がどこまで進んでいるのか?熟度ですね。
殆どただの枯葉だろうっていうのから、葉っぱの形が殆ど残っていないものまであるわけですね。

熟度の違いでかなり性質が異なってきます。

熟度 見た目 炭素量 効き始め メリット デメリット
高い
生物分解
が進んで
いる
さらさらで
細かい
少ない 比較的
早い

比較的
早くから

よく効く

初期の
養分溶出が

コケを招く

低い
生物分解
が進んで
いない
葉の形が
しっかり
残っている
ただの枯葉
多い かなり
時間が
掛かる
長く
効く
初期は
かえって
窒素が
奪われる
ことも

熟度によって何が異なるのかというと、水草がスグ使える状態になっている栄養分がどのくらいあるのか?ということと炭素量です。

 

生物分解がかなり進んでいるものは、水草がスグに使える栄養分が豊富なので比較的早くから効き始めます。逆に言うと長期維持には向きません。

 

生物分解があまり進んでいない...殆ど葉の形がしっかり残っているようなものは、最初のうちは全く効かないどころか、かえって水中やソイルの窒素分を奪って、窒素が足りない状態をつくったりします。

だから割と量を入れてもコケだらけになる心配は無いけど、水草の育ちは良くないですよね。

 

これはどういうことかというと、「枯葉水槽」とか「砂糖水槽」とか聞いたことはありませんか?

水槽に枯葉を入れておくと、水の窒素分対策に使えるとかいう話です。

あれは根拠が無いことではなくて、

枯葉の炭素分が様々な微生物の活発な活動に繋がります。エネルギー源になるわけです。その大量の微生物は体を構成するのに窒素分が必要になり窒素をかき集めるわけです。

農業や園芸の分野でもC/N比(炭素窒素比)は重要で、腐敗・発酵が進んでいない雑草などを大量に土に鋤きこむと窒素飢餓が起きたりします。...マメ科の植物を鋤きこむ場合は少し別ですけど。

 

なので、適度な熟度の腐葉土を...私の場合は、黒く変色してボロボロにはなっているけど、まだまだ葉の形が残っているというものを選んでいます。

セットから数カ月後にちょっとずつ効きだして、1年以上は効き続けてくれるというイメージです。

 

では、腐葉土をどの程度入れるかですけど、
リクツとしては底床の栄養分への依存度が高い水草の割合が多い・良く育てたい場合は多め、そうですなければ少なめ。

できるだけ長期維持したければ多め、そうでないなら少なめってことですね。

底床の栄養分への依存度が高い水草って、つまり根張りが良い水草で、エキノ・サジタリア系、クリプト、ブリクサ、グロッソ、ヘアーグラスなどですね。

こういう水草を重視するなら多めということです。

 

具体的な最適量は... ほんと私自身も分かりません。

試行錯誤、経験と勘でしか無いので残念ながら書けないです。

 

ちなみに今の60cm水槽に入っている量は、2リットルのパッケージのものを買ってきて、1/4使ったくらいですから0.5リットルくらいですか。

正直ちょっとまだ少なかったな...もっと入れても良かったなと思っています。

また熟度ももっと高い方が良かったかな???とか思っています。

つまりコケが怖くてビビリ過ぎてたわけですね。

でも足りない分は底床供給器で最奥に肥料を送り込むので、大きな問題じゃないですけど。

多すぎるよりは少なすぎの方がマシですからね。

 

なんにせよ、ちゃんと評価しようと思うとどうしても時間が掛かるので、まだまだ具体的なアドバイスは出来るほどの知見は残念ながら無い状態です。

 

出来れば同じようなことをやっている人は、経験をシェアしてもらえるとありがたいです。

 

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