CaMg液肥

2016.3.28

修正。

2014.12.1

一部間違いがあったので修正しました。変更点についてはページ最後に記載しています。

2014.11.3 

 

2016.3.28

現在は、ここに書いていることはやっていません。

なぜ、カルシウム・マグネシウム添加が必要になることがあるのかというリクツについて書いている部分は間違っていないとは思っていますが。

現在は、カルシウム添加とマグネシウム添加は分けて行っています。
特に(水槽環境にもよるのでしょうけど...特にうちでは)マグネシウム添加の方が必要性が高い...以前のやり方だとカルシウムは過剰になると考えてのことです。
なので、特にカルシウムが必要と見える状況でなければ、マグネシウムだけ添加しているのですが、これには硫化マグネシウム(エプソムソルト)を使ってマグネシウム3%の液肥をつくって半年ほど継続使用しています。経過は極めて良好です。

Mg液肥

要点

  • 通常は、カルシウム・マグネシウム添加は必要がない。むしろ軟水を好む水草が多い水槽では減らしたいくらいのもの。
  • 主にカリウム添加の過剰などによってカルシウム・マグネシウムを水草が上手く吸収できなくなる問題が起きる。
  • その他の原因(ex.リン酸過多など)でのGHの著しい低下の問題。
  • これら問題に苦土石灰(CaCO3, MgCO3)の液肥をつくって対応。

カルシウムやマグネシウムは、比較的水草の要求量も多い中量必須元素です。

ですが、多くの場合の水草水槽の場合はあえて添加する必要もなく、ソイルや石などから溶出する分や水換えなど供給される分でほとんど必要量を賄うことができます。日本の水道水は軟水だとは言え、そこそこのカルシウム・マグネシウムを含んでいますから。うちのあたり(南関東)でGH5程度はあります。...ただし季節変動などもあって2ぐらいまで下がることもあります。

むしろ、硬水だと…水中のカルシウムやマグネシウムが多めだと多くの水草にとっては良いことがありません。CO2の吸収が上手く出来ない、鉄分などの吸収が阻害される…などに結びついていくことがあります。

つまり弱アルカリを好むようなごく一部の水草を育てるような場合を除けば邪魔者扱いに近い扱われ方をしていますよね。

 

しかし、まったく足りなければ水草に問題が出てきます。

  • キューバパールグラスなどのパールグラス系などは、比較的Ca, Mgの要求量も多く、GHが低すぎると上手く成長してくれないということもあります。特にパールグラス系の旧葉部が黄色くなって弱っていくのは、多くの場合はマグネシウム不足です。
  • 旧葉部が葉脈の緑を残して斑に黄色くなっていくのも...うちではストロギネ・レペンスなどでたまに見られるんですけど...マグネシウム不足ですね。
  • カルシウム不足はロタラなどの有茎草の頂芽の萎縮にも関係していることが多いですね。
  • グロッソなどの根張りが著しく悪くなるのも主にカルシウム不足が原因です。
    トリミングをした後に下の方の茎だけ残ったロタラとかが、なんだか抜け毛のように抜けて浮かんできたりすることが多い...ロタラが簡単に引き抜けちゃうなんてことがあるなら、これも多くの場合はカルシウム不足を疑ったほうが良いです。本来、ロタラはそこそこよく根張りしますから。...もちろんブリクサとかサジタリアとかクリプトコリネとかみたいなものすごーく良く根張りするものとは程度が異なりますけど、それにしたって元気なロタラはちょっと引っ張ったくらいで抜けたりしません。
  • 水草だけでなくラムズホーンとかの貝類を入れている場合は、カルシウム不足が酷いと貝殻を維持成長させられなくなってどんどん数を減らしていってしまいます。
  • カルシウムはソイルの団粒構造を維持する結着剤としても重要で、脱灰が進むと団粒構造が壊れやすくなるらしいです。

 

ではGHの低下はどのような場合に起きやすいかというと、

  • 真新しいソイルでセットしたばかりの水槽
    • ソイルの陽イオン吸着効果による。
      GHの低下として現れるとは言え、水草の足元にCaやMgを集めているということでもあります。
  • CO2添加量が少なすぎて水草がHCO3を使うことによって進む脱石灰化。
  • (石や砂などのミネラル供給源が無いか少なくて)長期に水換えをしていない場合。…水換えによって供給されるCa Mgは重要です。水草がこれらを吸収してトリミングで排出されていきます。
  • ピートモスを入れた、リン酸が蓄積しているなどによる酸性物質の増加。特にリン酸の増加は水中のカルシウムと結びついて不溶化させてしまう効果が高い。
  • 水換えの元の水のGHがとても低くカルシウムなどが供給されるより水換えで排出・水草に消費される方が大きい。
    ...普段は5くらいある水道水が、季節によって2くらいまで下がるなんていうこともあります。
    たまには元の水のGHも計ってみたほうが良いです。
  • ...

 

また、水槽中のカルシウムやマグネシウムの量に限らず、カリウム肥料を添加しすぎている場合は、カリウムと拮抗関係にあるカルシウムやマグネシウムの吸収を阻害しますので、結果的にこれらが著しく不足しているのと同じ状態になります。バランスの問題ですね。

 

農業や園芸の分野だと、この塩基バランス問題はかなり重要視されています。特に苦土/加里比(Mg/K比)ですね。

野菜作りだと、これが2くらい…土壌中にカリウムの倍のマグネシウムがあったほうが良い。カルシウムは5倍くらいあったほうが良い…とかって言われていますよね。もちろんこれは水槽の中の話ではないのでそのまま使えませんが。

 

土壌(ソイル)は陽イオン交換能を持っているわけですが、カリウムの添加量が多すぎるとこの吸着枠をどんどんカリウムで埋めちゃうわけです。結果的にカルシウムやマグネシウムを放出してしまう。水草の足元にあったカルシウム・マグネシウムが流亡しやすくなるわけです。

もちろん、それ以前にこれらの量が必要なだけあったとしても、カリウムの割合がこれらよりも多ければ、カルシウム・マグネシウムの吸収阻害を起こすわけですし。

 

こうしてカルシウム・マグネシウム不足状態・カリウムによって吸収が阻害されている状態になると、

発根が悪くなる・根腐れを起こしやすくなる・葉や茎が黄色くなる…特に葉脈の緑を残してほかが黄色くなる、頂芽が縮れたり白化したりする…

といった問題をおこしたりします。

 

こんな状況が出ている時に、ではどうしたら良いかと言えば、まずは原因となっていることが何かを突き止めて、対処ですよね。

例えば、カリウム過剰なら、カリウムの施肥量を落としていく必要がある。

 

さらに、必要に応じて、カルシウム・マグネシウムを添加してやる必要もあるかもしれない。

前置きが非常に長くなりましたけど、こういう場合に使うのが、以下の要領でつくるCa Mg液肥です。

 

作り方はとても簡単!

 

  1. ホームセンターなどに行って、粉状か顆粒状の苦土石灰(CaCO3, MgCO3)を買ってくる。1kg買っても数百円ってところです。
  2. これをほんのひとつまみ適当に500mlくらいのペットボトルに入れる。
  3. 水をいっぱいにいれる。
  4. よく振って溶かす。 
    毎回ボトルを振って、粉末状に沈殿しているものを漂わせてから使う。...注射針も通るくらいの微粉末が漂います。...製品にも寄るかもしれませんが。

以上です。これでCa Mg液肥の出来上がり。

 

 

使い方は、
pH8以上の少し強めの...海水くらいのアルカリなので、直接水草やその他生体に触れるような使い方はダメです。水槽水全体に少しづつ溶かしていきます。

 

私の場合は、事前に別に取り出した水槽水に添加した実験を踏まえた上でかなり余裕も持たせて、60cm規格水槽で1回あたり5ml~10ml程度を水槽水で10倍程度に希釈してから少しずつ添加するようにしています。魚とかに濃いのが直撃するとイヤですからね。

その後GHやpHの変化も踏まえつつ水草の様子を見て、必要に応じてさらに添加していくようにしています

私が使った苦土石灰の場合だと、事前の実験結果では上澄み液を500mlペットボトル1本使って、GHが2上がる程度なので、もっとずっと大胆に使っても大丈夫だとは思うのですけどね。

ただし、これは買ってきた元の苦土石灰の性質や溶かした量にもよるはずなので、実際にやる時は慎重に・かなり控えめにはじめてみてください。

 

底床内にスポット的に注射するとか底床供給器に入れるとかって場合は、根に触れる可能性とか底床内の微生物とかを直撃しちゃった時の影響を考慮して、念の為に使用前に水槽水でさらに希釈しておいた方が良いのではないかと思います。

  

特にパールグラス系とかが弱っている時などに施肥をして、その原因がCa Mg不足であるなら...特に頂芽の活動に関係が深いCa不足であるなら上手く行けば早くて1週間くらいで結果が目に見えると思います。もう明らかに元気になっているって感じ。まだ割と新しい葉や茎がスグに黄色くなったりしなくなります。

有茎草の頂芽がいじけている時も、Ca Mg不足であるなら、いじけちゃった頂芽は元には戻らなくても、先をチョッキンしてその脇から出てくる新芽は健康的なものになっているはずです。

 

Ca Mg液肥は、そもそもがほとんど水草水槽には必要ないということのほうが多いというものですから、良い結果が出てきたからと言って、どんどんあげたりしないようにしましょう。

 

pHが上がりすぎる・硬水にしちゃうようなことが無いように気をつけてください。

 

苦土石灰利用の問題点・注意点

苦土石灰を利用する場合の問題点としては、カルシウムとマグネシウムのバランスが、水草が使用するバランスと合っているとは思えない点です。

大抵の苦土石灰は、Ca:Mg=5:3くらいなんですけど、これはもうどう見てもマグネシウムの割合が多すぎですね。


なので、あまり繰り返し長期利用はすべきじゃない

問題の症状が消えたら、その時点でいったん使用をやめたほうが良いと思います。


リキダスの利用

ハイポネックスの製品で、「リキダス」っていう活力剤があるんですけど、これは、主成分がカルシウムです。

なので、マグネシウムは特に今必要ない。根張りや新芽の出が悪い、頂芽が萎縮するという場合には、これを使うのもお手軽で良いと思います。

 

ちなみに、窒素・リン・カリウムなどの主要な肥料分は入っていません。ですから、メインで使っている肥料と組み合わせが悪いということも特に無いはずです。...もちろん使いすぎればカリウム肥料の効きが悪くなるとかって問題を起こすでしょうけど。

 

鉄・銅・亜鉛・モリブデンなどの微量元素も入っています。

自作の液肥を中心に使っていると微量元素の供給はおろそかになりがちなので、この点でも良いかもしれませんね。

記載されている微量元素名を見ると、マグネシウム、マンガン、ホウ素は?って思っちゃいますよね。これは活力剤なので詳細表示がないので想像でしかありませんが、これらはハイポネックの原液にはしっかり含まれている微量元素です。プロ用の成分表示では保証値も記載されているくらい。つまり、リキダスはハイポネックスと組み合わせて使うことを前提にしている構成になっているのかもしれません。つまり、もしそうだとすると微量元素供給の手段としては偏りが出てしまうかも。

 

使用量は、原液を水槽水に溶かすなら、60cm水槽で水草がかなり多めの場合で、必要性を感じた時に、週に1mlとかって感じになると思います。もっと小さい水槽や水草の量が少ない場合は、ペットボトル等で10〜20倍に希釈したものをつくっておいて使った方が良いかもしれません。

2014.12.1 修正点

  • 以前は、「私が使っているのは、苦土分15% 内 く溶性10%のもの」と書いていましたが、改めてパッケージを見なおしたところ、可溶性:15% く溶性10% のものでした。全く間違っていました。
    この部分の記載をまるごと削除しています。
  • 苦土の保証表示はそれだけでしたので、もしかしたら水溶性の苦土は含まれていないものだったのかもしれません。
  • 実際に、これの「上澄み液」は、マグネシウム不足の症状にもよく効いていたように見えるのですが、実際にはよく澄み切った上澄み液ではなくて(上澄み液だけを慎重に取り出したのではなくて)、ちょっとペットボトルを揺らしただけで混濁する状態のものを使っていました。つまり、水に溶けている苦土分ではなくて微粉末を撒いたことが効いていたのかもしれません。
  • なので、「上澄み液を使え」というニュアンスの表現になっているところを全て修正しました。
    • タイトル部分から「上澄み液」という言葉を削除。
    • その他文章中の「上澄み液」という言葉を削除。
    • 「作り方」の部分が、以前は「水溶性のものを買ってきて上澄み液を使え」と言った内容だけでしたが、可溶性・く溶性の苦土石灰の場合は、混濁液を使いましょう...という内容に変えています。
  • この修正は、ブログへのコメントをもらったことがきっかけになっています。匿名さんからなので誰だかわからないけれど...感謝します!

さらに修正追加。

  • 出来れば、苦土分が全て"く溶性"であると表示されているものではなくて、できれば一部が水溶性か全部が水溶性のものを買いましょう。」という文章を削除し、前後もかなり変更しています。
    改めてホームセンターなどが取り扱っているような苦土石灰をチェックしてみたら水溶性の成分が表示された苦土石灰は見当たりませんでした。本来苦土石灰とはそういうものなのかもしれません。
    ...すみません。このあたりは自信がないです。
  • そもそもがCaMg液肥は、農業分野で苦土石灰の上澄み液をつくって葉面散布しCa不足だけでなくMg不足の解消にも速攻で効かせている事例などを幾つか見かけたことが発想の起点になっているのですけど、そこでは「よく澄ませた上澄み液」をつくって使っていたこと、ネット上で見かけた苦土石灰のカテゴリーに入れられていた製品に水溶性のものを含むものがあったことなどから、
    リクツとして、可溶性・く溶性じゃダメだよね〜ということで入れていた表現です。
    ですが、現実に売っている商品の成分保証内容とリクツが全く合わないので修正しました。


可溶性・く溶性の成分量表示は、一定の条件で溶け出すものの総量なので、その中に水溶性の成分も含まれている可能性があります。
例えば、リン肥とかだと、可溶性◯% 内水溶性◯% という表記も時々見かけますし。(?...という解釈で良いのではないかと考えていますけど、専門家じゃないので自信はないです。)

そうでないと、農業分野でよく行われている上澄み液の葉面散布が効くのはどうしてなのか理解でないですよね??
なんにせよ、自信を持って言えないので、このあたりのことについて詳しい方が、もしここを見ていたら、出来れば教えてくれるととてもありがたいです。

コメント: 2
  • #2

    rotala (土曜日, 14 2月 2015 23:56)

    >これは元になった苦土石灰が茶色いんですか?
    そうです。

  • #1

    匿名 (土曜日, 14 2月 2015 23:49)

    Ca Mg液肥がかなり茶色く見えるんですが
    これは元になった苦土石灰が茶色いんですか?