エアレーション

2013.10.5エアーマスターアドバンス

 

エアレーションはなぜ必要なのか?

もちろん、魚やエビが酸素を必要とするから。
バクテリアも大量に酸素を必要とするし、水草だって酸素がなければ成長できない。

 

でも、水草水槽では、大量の水草が気泡をあげて大量の酸素を供給していますよね?実際、気泡をバンバンあげている状態だと、ほとんど飽和濃度まで酸素濃度があがります。

水草が光合成を止める消灯後もCO2濃度が高いままにしておくのはキケンだ!とか言う人も居ますけど、それは水草がまるで使い切れないくらいのCO2を添加しちゃってる場合はともかく、そうでもなければキケンな濃度になんてなりません。

その場合に必要なのは、酸素供給ではなくてCO2添加量を適切な量にまで絞ることです。

きっとCO2を抜かないとキケンだなんて言う人は、なんとなくのイメージで言っているのか、エビや魚がアップアップしちゃうくらいのとんでもない量のCO2添加をしちゃったことがあって懲りちゃってる人か...そんな感じなんだと思います。

 

その上、エアレーションで急激にCO2を抜けば、pHは一気に上昇します。一日のpH変動がとても大きくなります。(もっとも自然界でも小さな池とかだと1日のpH変動はかなり大きいのだけど)

 

だから、エアレーションは必要ないんじゃないの?
水草がまだ充分に茂って活動的になっていない立ち上げ期とかにバクテリアの繁殖も促す意味でエアレーションするとか、
クーラーを使っていない場合に、夏場の溶存酸素量の低下+生物の酸素使用量の増大のダブルパンチに対応するとか、
そういうのでもなければ、水草水槽にエアレーションは必要ないと思ってたんですね。

つい数カ月前までは。

 

ここで一旦、エアレーションに期待できることについてまとめておきます。

  • 全ての酸素呼吸を行う生物に酸素を供給する。
    魚、エビ、貝、底生微生物、バクテリア、水草...
  • 油膜取り。油膜を粉砕して沈める。
  • 水の臭いを取る効果。
    ニオイのもとになる各種の揮発性有機化学物質を取り去る。
  • アンモニアを抜く効果もある。曝気によって気化しやすくなる。
  • その他 硫化水素などの毒ガスが発生している場合に、これを速やかに水から抜く

こんな感じですよね。

つまり大雑把に言えば酸素の供給だけじゃなくて、揮発する種類の毒を抜く効果もあるわけです。

 

それから、ついでに、必要な酸素量ですが、私が使っているseraの酸素濃度測定試薬の取説によると

  • 0.5mg/l以下:危険。
  • 2.0mg/l:やや危険。比較的大型の魚などにとっては危険。
  • 4.0mg/l:充分な酸素量
  • 6.0mg/l以上:良好な酸素量

とのことです。

 

で、話を戻して、数カ月前に何があったのかと言うと、
ウチのメイン水槽では立ちあげてからずっとポツポツとヤマトヌマエビが落ちてたんです。同じ水槽でもミナミヌマエビは落ちないし、他の水槽ではこんなこと無いのに。

割合としては、20匹入れたら3ヶ月しないうちにゼロになるくらいの割合で。つまり週に1匹以上は確実に落ちていくって感じですね。

そのことに悩んでいて、Facebookで書いてたら、「エビの体色が濁っていないか?白っぽいなら酸素量が足りない可能性がある」みたいなことを言われたんですよ。

確かに、メイン水槽のヤマトヌマエビは、スッキリ透き通った体色ではないものがけっこう居る。

それで、エアレーションをしてみたら、数日で全てのエビの体色が明らかに良くなってきたんですよ。しかも落ちなくなった。

ちなみに、それほど酸素量が足りないとは思えないのだけどな〜...ということで、もっとも酸素が少なくなるはずの時間帯に測定してみたら、やっぱり4mg/l前後はあるのですね。試薬の色の変化(正確には沈殿物の量)を見ているので正確には分からないですけど、少なくとも2mg/lを切っているということは無いわけです。

 

しかし、とにかく夜間エアレーションを行うとエビの体色が良くなり全く落ちなくなるというのは、その後もテストしていて確認できたので、それ以来夜間エアレーションをしています。

ちなみに、うちの水槽で、日中は7mg/l以上の酸素濃度があります。

もしかしたら、酸素濃度問題ではなくて、揮発性の有害物質が出ていてエアレーションがこれを抜くことになったのかもしれません。

 

確かにヤマトヌマエビは、その自然界での生息環境を考えれば、ミナミとかよりもずっと酸素濃度やアンモニア濃度に敏感なハズなんですよね。川の中流以上の流れがあって水温も低めのところにいるのだから。

 

エアレーション機材を選ぶ時には、以下の点が気になりますよね。

  • 酸素供給効率。
  • 騒音。ポンプの音、泡の弾ける音。
  • 泡が弾けて周囲に飛ぶ飛沫の量。
  • 水槽内などで邪魔にならないこと。見た目を悪くしないこと。

つまり求めるものは、

  • 静かで充分な吐出量のポンプ。
  • できるだけ細かい泡。
  • 泡が出る時のシューシューという音が小さい。
  • 水槽内で存在を消せるかたち。

ってことになります。

 

結局のところ、私は、上の理想は満たしていないけれど、

  • 水心 SSPP-3S
  • エアーマスターアドバンス

の組み合わせでやっています。

 

ポンプとしては、水心 SSPP-3Sは、(当たり外れもあるけれど、基本的には)非常に静かで、キャビネットの中に入れてしまえば殆ど音は聞こえません。

 

エアーマスターアドバンスは、フィルターの排水パイプの途中に付けるタイプで、泡は結局大きめになってしまうのだけど、パイプ内にエアストーンを置いているので、音は非常に静かです。

また当然、水槽内にチューブを這わせたりエアストーンを置いたりしなくて済むのでスッキリします。

水槽の中心に向かって出ている水流に載せて泡を出しているので、エアストーンを水槽の端に置いて、その周囲だけ飛沫がすごいなんていうこともありません。

 

つまりは、全体として、酸素供給能力より、静音性などを重視したってことですね。

 

酸素供給能力重視なら、azoo スーパーバブラーVってのがかなり気になっていました。

マイクロバブル・ナノバブル発生をうたっていること。
実際どれほどナノバブルなどが出ているのかは分からないけど、実際に非常に細かくていつまでも水流で漂うような泡が沢山出ているのは確かなこと。

これらの点で、とっても魅力的だったんですよね。

マイクロバブル・ナノバブルの効用については、水産養殖方面などで実用化されて、いろいろ言われてますものね。

とっても気になります。

 

でも、とにかく水槽内で目立つ、水心 SSPP-3Sよりももう一段パワーのあるポンプが必要で、それがどうしても五月蝿そう...静かってわけにはいかなそう...ってことで見送りました。

 

エアレーションを行う時間ですが、うちでは、エアレをしていない場合の酸素濃度の推移を計った上で、

消灯後(CO2添加停止後)2時間経過したところで、エアレーションを開始し、点灯1時間前にエアレーションを止めるタイマープログラムで動かしています。

 

うちの場合は、ライト点灯中は、7mg/以上の酸素濃度があって、これは消灯後ゆっくり減っていくのですけど、エアレをしたら、CO2だけじゃなくてO2も減らしちゃいますから。

エアレでつくれる酸素濃度は5mg/lってところ(スーパーバブラーでも使えば違った結果になるかもしれませんが。あくまでウチの場合。それも夏場です)なので、わざわざ酸素濃度を減らす必要もないですからね。

追記。

 

上記で掲げている条件

  • 静か
  • 酸素濃度をあげられる/細かい泡で水はねが少ない
  • 水槽内で目立たない

などの条件を比較的良くクリアできるやり方として

エアディフューザーを使うという方法もあります。

例えば、エーハイムの排水パイプの先に付けるディフューザーとかですね。

とても細かい泡をエアポンプ無しで出すことが可能です。

 

水面上に出すエアーチューブを延長して、電磁弁をつければ時間でエアーを出したり出さなかったりということもできます。

さらに構造を工夫すれば、エアーマスターアドバンスのようにパイプの途中に設置して(パイプがほぼ水平になるところにしか設置できませんが)水槽外に装置を排除することも可能です。

 

その気になれば、垂直の排水側のチューブの途中に、キャブレーターと同様のしくみ(ベンチュリ構造をつくる)のものをつくって設置すれば良いわけです。

リクツだけなら霧のように細かい泡だって、エアポンプ無しにつくれるはずです。

 

問題は...(なぜ私自身がチャレンジしていないのかというと)、
どう考えてもけっこうな外部フィルターの流量低下...というかモーターへの負荷の拡大につながるからです。

なので、実際にこれを検討してみるのは、フィルターのパワーにかなり余裕がある場合に限られます。

うちの今のフィルターだと無理ですね。それなりに余裕のあるフィルターのつもりですけど、クーラーだの接続したり、フィルター内にいろいろ突っ込む場合とか考えるとたっぷり余裕があるってわけではないですから。

それとこの手のディフューザーはかなり細いところに水を通して流速を上げるわけですけど、もしここに何か詰まったら...と思うと恐ろしくて。

滅多に無いですけど、実際にクーラーの中とかに出来たバイオフィルムのけっこう大きな塊が剥がれて排水口から出てくるなんてこともあります。

 

ということで、私自身はやったことがないので、実際についてはいろいろ検索したりしてみてください。けっこう事例が見つかります。ここ(NA-HAMMER)とか。

 

やってみた場合は教えてもらえるとありがたいです。

 

コメント: 4
  • #4

    管理人 (月曜日, 06 5月 2019 18:27)

    レスありがとうございます。
    そうですね。その流量が適当というのは、60規格でちょっと強めのフィルターを使うとなると微妙ですね。
    でも、面白そうです。

  • #3

    mag (月曜日, 06 5月 2019 18:04)

    販売請負の担当者様の話しでは、
    一般水槽向けのラインナップの本体直径30mmほど商品で、
    300l/h~400l/hの流量が適当とのことです。
    小型水槽としては強いですが、二尺程度としては弱いですね。
    使用方法次第かと思いますが、ポンつけだと流量を増やすと泡が荒くなるようです。

  • #2

    管理人 (月曜日, 06 5月 2019 12:17)

    畑田鐵工所のファインボウルというのはまったく知らなかったんですが、たとえば60cm水槽用程度の外部フィルターがつくる水流くらいでちゃんと動作するんですか?

  • #1

    mag (土曜日, 04 5月 2019 21:41)

    水草が盛んに気泡を挙げているのにコリドラスが水面に上がってくるのは何なんでしょうねぇ・・・
    癖みたいなものでしょうか、
    最近は畑田鐵工所のファインボウルという製品とCKDの2ポートソレノイドバルブで夜間エアレーションを行っています。
    上記製品には少し手を加えていますが、ネット上に散見するようななんちゃってマイクロバブル(サブミリ)ではなく、これならだれが見ても文句ないだろうというようなファインバブルを発生させてくれると思います(改造のたまものかもしれないですが)

    ソレノイドバルブと自給式のデュフューザーを組み合わせても、
    ソレノイドバルブで制止可能なほどの負圧は発生していないので、
    昼間のエアレーションの停止は完全ではないと思います。
    CKDのカタログデータを見ても、漏れエアー量は3㎠/minとあります。
    それだけあればファインバブル添加においては水槽内を霧がかかったような状態に泡だらけにすることはできます。
    それでも昼間のCO2添加中はPHが0.5ほど下がります。
    CO2添加 ソレノイドバルブからの漏れ あるいはキャビテーリング
    様々な要素が絡んでいるとは思いますが、
    日中も泡が漂っているこの環境どこから来ているのか、気になるところです。