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リセット直後↓

 

ちょうど1ヶ月後↓

 

リセット直後↓

 

ちょうど1ヶ月後↓

 

ついでに1ヶ月目のムービーも。

iPhoneで撮ったムービーなのであまり綺麗じゃないけど。

 

安全な立ち上げのコツ

水草水槽の立ち上げに必要な機材構成であるとか、硝化サイクルづくりの基本であるとか...そういうことは、ここでは書きません。必要であれば、親切に説明しているWebサイトが沢山あるので適当に探してみて下さい。

以下は、基本については分かっているという人に向けて、私が考える上手く立ち上げるコツのようなものを書き留めたものです。

  • 硝化バクテリアをできるだけ持ち込む
  • 酸素供給・水流の重要性
  • 弱酸性で立ち上げるメリット
  • ソイルからの養分溶出への対応
  • 大量の有茎草で安全確実
  • その他の基本的な注意

 

硝化バクテリアを出来るだけ持ち込む

硝化バクテリアをどれだけ短期間に必要充分なだけ増やせるか...ってことですが、これは全くの新規の立ち上げとリセット立ちあげでは異なりますよね。

リセットの場合は、前の水槽の環境をできうる限り引き継ぐことで素早い立ちあげができます。

  • リセット作業中にろ材を前の水槽水に付けてエアレーションを掛けておく。...酸欠防止
  • 新規で使うソイルやその他底床材を、フィルターの濾過槽などから取ったバク汁にエアレーション(あるいは水流を起こしながら)しながら漬けておく。...ソイルから溶出する窒素分が栄養になる。
  • 前の水槽の水を出来るだけ取っておいて、これを使う。
  • 前の水槽の水草や石、流木などを水道水で洗ったりせずにそのまま持ち込む。

硝化バクテリアはフィルター内に居るのはもちろん、ほとんど同じくらい水槽内にも居るのだと思ったほうが良いわけで、これを出来るだけ引き継ぐということですね。

 

それから、市販バクテリアは、明らかに効くわけですが、ほとんど定着しないものばかりですよね。ということは、市販バクテリア剤の使用は、一時しのぎにはなっても、既存の水槽環境に適したバクテリアと競合するわけですから、立ちあげを遅らせてしまうだけだと思っています。

 

全くの新規の場合は、ショップなどから種水をもらってくるといったことが基本としてありますけど、基本的には以下の項目に気をつけてみて下さい。

 

酸素供給・水流の重要性

硝化バクテリアが活発に活動するためには、大量の酸素を必要とします。逆に酸素濃度が低ければそれだけ増殖が鈍ると考えるべきです。
なので、CO2添加とは矛盾しますが、硝化バクテリアの増殖を優先するなら出来るだけエアレーションをしたほうが良いということになります。少なくともCO2添加を行わない夜間のエアレーションはした方が良いですよね。

 

また、飼う魚の種類にもよりますが、水流がかなり苦手であるという魚を飼う場合以外は、できるだけ底床面を舐めるように進み水槽の隅々まで水が動くようなデザインにしていくことでバクテリアの繁殖を促せます。
ソイルは多孔質で、その上窒素分も含んでいますから、かなりバクテリアが定着するわけですが、フィルターと同じリクツで水流がなければ酸素供給が行われずバクテリアが繁殖できません。
バクテリアに限らず、水草も葉面で吸収する栄養やCO2は水流があってはじめて供給されるわけで、水流があるのと無いのでは成長がかなり違ってきます。

水流が直接あたっているところから最初に気泡が上がり始めるとか経験ありませんか?もちろんライトのあたり方も大事ですけど、光量が同じで水草の種類が同じなら、水流があるところから最初に気泡が出始めるはずです。

 

酸素の話に戻って、クーラーとかの環境がキチンと揃っていないなら、夏場の立ち上げはしない方が良いです。

なぜなら、夏場の問題って、かなりの部分が酸素問題なんです。温度があがると、バクテリアの活動が活発になって酸素の消費量があがる。でも、温度があがると溶存酸素量は減ってしまう。結果、環境崩壊へ。ってわけですね。
ちなみに、魚やエビの適正水温を超えていても、マイクロバブルとかで強制的に溶存酸素量を高めておくと、けっこう元気に飼えちゃうらしいです。

なので、どうしても夏場に立ち上げる場合は、特段エアレーションを・溶存酸素量を高めに維持することを重視すべきってことになりますね。...それ以前にクーラー入れるべきですが。

 

弱酸性で立ち上げるメリット

水草水槽に使われる水草の多くは、またこれに組み合わせて入れられる南米産小型カラシンなどの魚の多くが、弱酸性・軟水を好むわけですが、立ち上げ期間だけをみても弱酸性に維持するメリットは、安全性の観点からも大きいんです。

なぜなら、立ち上げ期はアンモニア(さらに亜硝酸)の処理が問題になるわけですが、アンモニア(NH3)は、弱酸性の水の中ではそのほとんどが速やかにアンモニウム(NH4+)に変わります。

アンモニウムも毒性はあるわけですが、アンモニアに比べれば遥かに危険度が低くなります。

また、アンモニウムは水草が取り込みやすい窒素源で、成長力があり葉面吸収も積極的に行っている有茎草などが素早く使っていってくれます。

つまり、酸性に傾けておくことで、立ち上げ期の安全性を高めることが出来るわけです。

また弱酸性にしておいた方が、水草が有利にCO2を使え、コケに回る分を減らせるというメリットもあります。
このあたりは、 /水槽管理/pH,KH,GHの調整 のところを見てみて下さい。

私は立ち上げ期に魚やエビを落としたくないし、できるだけコケを避けたいので、意識的にpHを下げています。
例えば、底床(の深層のパミス)にピートモスを混ぜるとかして。もし、これで充分にpHが落ちないようなら...真新しいソイルを使っていれば落ちるのですけど...、フィルターの中にピートモスを入れますね。

 

但し落とし過ぎも問題で、景気良くピートを入れたりするとあっという間にpH5くらいになったりします。
そこまで低いとパールグラス系とかは育たなくなりますよね。それにエビや貝も低すぎるpHは嫌います。入れ過ぎないように。魚も種類によっては低pHはダメですね。


それに硝化バクテリアの活動もpH6を切ると著しく弱っていくと言われています。絶滅するわけじゃないんですけどね。
でも立ちあげ期は硝化バクテリアをさっさと増やしたいので、pH6以上...できれば6.5前後の理想的な値をキープしたいところです。
後述するように有茎草をたっぷり植えていれば、窒素やリンを硝化バクテリアのかわりに処理してくれるのでpH6を切っててもあまり問題は無いのですけど、そうじゃないなら硝化バクテリアの繁殖を再優先する必要があるので、あまり低pHを強く意識しすぎない方が良いかもしれません。


ピートモスの効果は、最初に入れた量にもよりますが2-3週間で切れ始めると思っておいたほうが良いです。

低pHで有茎草をたっぷり植えている場合は、この頃まで目立った問題が出なかったのに、このあたりであまりに伸びすぎたからトリミングなんてことをしちゃうと、低pHで硝化バクテリアの繁殖が進んでいなかったのに、急に水草の窒素処理力が奪われて、問題が出ちゃう...なんてこともあります。

なので、pHチェックも定期的にしておいた方が良いですね。

 

ソイルからの養分溶出への対応

ソイルは水草育成にはほとんど欠かせないものになっています。ソイルだと水草がよく育つ。これは幾つか理由がありますが、そもそもセット時には肥料が要らないくらい栄養豊富だっていうのもあります。

特に黒ボク土系は(銘柄にもよるけど)栄養豊富なものも多いですね。

それを水に入れるとどうなるか?

当然、栄養分の溶出量は最初がいちばん大きいわけです。ドバっと栄養が出てくる。

栄養分の中には窒素分も含まれているので、アンモニアが発生するわけですね。立ち上げ期はアンモニアを処理するのが最大の課題になるのに、魚がエラから直接排出するアンモニアや残餌が分解されて出てくるものに加えて、さらにソイルから出てくるわけです。これはたまりません。

 

で、どうするかと言うと、以下のいずれかの方法を取れば良いわけです。

  • 予めバケツなどに張った水にソイルを漬けて初期に溶出する養分を吐き出させる。
    数日おきに水を換えながら、1週間くらいバケツの水に晒す。
    もちろん使う水は、できればリセット前の水槽の水、あるいは塩素抜きした水道水。
    まったく新規の場合は、バケツを使わなくてもソイルを入れた水槽に水を張って同じことをすれば良い。
  • 上記が困難な場合は、セット後1週間くらいはかなり頻繁に水換えを行う。...バクテリアの定着は遅れてしまうけど、それでも水が栄養過多になっている状態を改善する方が先決。

これをやると立ち上げ期のコケ地獄をほとんど回避できます。

 

実際にはソイルはアンモニア吸着力も高いので、ソイルの種類にもよるんですけどね。特に栄養分が少ないソイルだとむしろ魚が出すアンモニアも全て活性炭並に吸着してしまうくらいだったりします。上記の内容はあくまでも栄養分がかなり豊富なソイルの場合のはなしです。

 

大量の有茎草で安全確実

水草の窒素吸収力は強力です。
おそらくソイルのような多孔質材が底面を覆っていて、さらに成長力のある水草が大量に生い茂っていて、充分な水流があって、魚の量が少なければ、フィルターが無くても全く問題無いはずです。
...チャレンジしてみようとは思わないけど。

なので、特に新規で安全確実に水槽を立ち上げようと思ったら、できる限りの量の成長力のある有茎草をビッチリ植えてしまうのが確実です。アンモニウムもほとんど吸っちゃうはずです。

例えば、ロタラとか、ハイグロフィラ・ポリスペルマとか。

 

リセットであれば、事前に充分な量の水草を、トリミングした時などにバケツストックしておけば良いですよね。

 

新規であれば、お小遣いに余裕があれば大量の有茎草を...できれば水中葉のものを買ってくれば良いし、大量には買えないというのであれば、季節が良ければバケツとか、あるいは生体を入れる前の水槽などで、大量に増やしてから、生体を入れるようにすれば良いわけですよね。

できれば生体を入れる前の水槽で...それもCO2を添加している水槽でやったほうが遥かに良いですけど、バケツでやるなら、春・秋であればベランダに、夏なら涼しくて光が入る窓際に水を張ったバケツを置いて、有茎草を鉛巻きのまま沈めて、ほんのちょっとだけ底床用の総合化成肥料を入れておけば、上手く行けば1週間くらいで倍の量にはできます。

長くなった奴は、10センチくらいずつに切っちゃって大丈夫なので、植える数を増やしましょう。

肥料を入れ過ぎるとコケまみれになるので注意ですけど。

 

水草自体の水質浄化力もそうですが、成長力がある水草は、それだけ大量に酸素を吐き出します。前述していますけど、酸素は硝化サイクルをつくっていく上でもとても大事です。

またCO2添加中でエアレが出来ない時間帯に充分な溶存酸素量を稼ぐには、有茎草をたっぷり植えるのが確実ですね。

酸素量が豊富なら、エビや魚が死んだり病気になる可能性もそれだけ低くできますしね。

 

前述してますけど、大量の有茎草で窒素処理とかしている場合の最大の問題は、いずれはトリミングしなきゃいけない...窒素処理力が一気に奪われる場面がやってくるということです。しかも有茎草は成長がはやいので、あっという間に...特に立ちあげ期の養分豊富な時期は2週間もすればやってくるわけですね。

 

これへの対処は、まずやっぱり大前提として硝化バクテリアがちゃんと繁殖していことが大事です。

硝化バクテリアが充分に増えていれば、水草の処理力が落ちて水中に増えてしまった窒素分に対応して、2−3日で必要なだけ硝化バクテリアが増えてくれて処理を補ってくれますから。水草は2−3日じゃ元に戻らないですよね。...戻っても困るんですけど。週に2回もトリミングしてられないですから。

 

次に、当たり前ですが、一気にトリミングしないことです。

最大でも1回あたりは全体の1/3以内に...できれば1/4くらいに留めておく。

さらにトリミングの間隔は、硝化バクテリアが増えていくタイミングを意識して2−3日は最低開けていく。

特に立ちあげ期は、もともとの硝化バクテリアの量が不十分ですから、もっと開けた方が良いかも。

 

つまりは、立ちあげ期は頻繁にちょっとずつトリミングするべきってことですね。

 

また水草の成長点と旧葉部では窒素を使う量がまるで違います。当然、成長点のほうが遥かに窒素を使うわけです。
トリミングは成長点を刈り取ることになってしまうわけですけど、立ちあげ期は、刈った分を捨てないで差し戻しできる余地があるなら、できるだけ差し戻しをしましょう。

 

その他の基本的な注意

以下、ほとんど当たり前のことばかりですけど...

  • できるだけエサの投与量を絞る。
  • 水上葉が比較的早く溶けてしまうような種類のものは、できるだけ水中葉で入れる。枯れ葉が沢山出て水を悪くする。...ロタラやブリクサなど。
  • 生体の導入をできるだけ慎重にする...キチンと水合わせを行うなどする。
    充分にこなれた環境だと、ポイっと入れても死なないような魚でも、立ち上げ期の不安定な...亜硝酸などの毒も出ている環境だと死んだり、病気になったりする可能性が高くなるので。
    死魚が出ると、それが原因でまた一気に水が悪くなるし。
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