グリーンロタラ

以下は、2013年08月26日のブログ記事を修正したものです。

--

 

グリーンロタラは、日本にも自生するロタラ・ロトンディフォリアの地域変種。日本原産。

和名は、キカシグサ。

当然、屋外のスイレン鉢で越冬できます。

 

薄紫色のちいさな花が咲くのは秋口ですね。

 

グリーンロタラ

 

グリーンロタラは、水草水槽ではかなりポピュラーなものですね。

でも、私はこれに特別な思い入れがあります。

何故かというと、アクアリウム始めて間もないころ「なんだかうまく行かないな~」って状況を、いっきに改善してくれたのが、こいつ、グリーンロタラだから。

やっぱりこの手の有茎草の成長力は、よく分からないながらに始めちゃった人には救世主というか、水中の養分コントロールを容易にしてくれるんですよね。

ロタラは特別育てるのも簡単だしね。

カットして、カットした分を差戻しして増やしていくほど、(初心者にとっての、コケ地獄から脱するという意味での)水槽のコントロールが簡単になる。

 
■まずはレイアウト面について。
 
グリーンロタラは、その気になれば、それだけで前景・中景・後景をつくれる万能水草。
緑も明るく鮮やかで美しいし、気泡もよく付ける。
 
うちにはロタラインディカとグリーンロタラがある。
色を除けば両者は殆ど違いがわからないくらいよく似ているけど、実際に育てると、相当性格が異なっています。
 
ロタラインディカが、光量に関係なく殆ど真っ直ぐ立ち上がっていっちゃう*のに対して、
グリーンロタラは、光量*、肥料***分があって周囲が開いていると殆ど横に伸びていく。
開けた場所に寝かせて植えれば殆ど匍匐していく。
横に伸び始めると、殆ど節ごとに脇芽を出していく。
節ごとに根も出していく。
 
*インディカも超軟水にするなどの条件によってはかなり枝垂れます。
**以前にも照明のところとかで説明してますが、散乱光が充分に含まれる光じゃないとあまり匍匐しません。つまり蛍光灯とか、乳白色のカバーがついたLEDとかそういう種類の照明で、光量がある程度以上ある場合ってことですね。
***おそらく、リンが豊富だとより枝垂れ・這いやすくなる。
 
なので、最初にグリーンロタラを買って、新しいソイルの水槽に入れるなら(ある程度光量があればだけど)寝かせて植えちゃうと、どんどん増えていきます。
インディカは寝かせてもすぐに立ち上がっちゃうけど。
 
基本的にかなり強いので、例えば、水中葉で20センチくらいのを買ってきたら、半分にカット、2本にして植えても大丈夫。
10本買って20本にして、全部、斜めに差し込んで植えるとか。
そうすればどんどん増えちゃいますね。
水上葉で買ってきた場合は、水中葉転換にエネルギー使うので、あまり短く切り刻まない方が良いですけど。
 
匍匐させれば前景、斜めに伸ばせば中景、立ち上がらせれば後景に使える。
もちろん、そんな感じで使ったことはないけど。リクツとしてはあり得ますよね。
 
インディカと混ぜて植えると、殆ど必ずインディカの方が成長が速い。
なので、トリミング、差戻しを繰り返していると、いつの間にかインディカばっかりになっちゃったりするんですよね。
時々、かなり意識的にインディカを捨ててグリーンロタラを優先するようにしないとね。
混ぜて植えたりしないで、後ろの方をインディカ、前の方をグリーンにしておくのが常道
 
どんどん伸びるのでマメなトリミングは欠かせない。
トリミングをすると脇芽を出して枝分かれしてボリューム感が増していく。
カットする時は、あまり根元の方からやると、ロタラの林全体がみっしり詰まって水流が悪くなっちゃうので、適度な高さでカットしたほうがいい。そうすれば、底の方・林の中の方はスカスカで水がよく動いて、外から見ると密度がある感じになるので。
差戻しもあまり過度に密度を付けないほうがいいですよ。
みっしり植えちゃうと、水が動かなくなって具合が悪いですから。
 
■育成環境などについて
 
弱酸性~弱アルカリ、軟水~硬水、詰まって泥化した底床から、新しいソイル、砂礫まで、水質や底床の状態の適応幅はかなり広めで、ある程度の肥料分とちょっとでもCO2入っていれば育成に苦労することは殆ど無いはず。
 
ハイグロなどと同じく成長力があって肥料分の葉面吸収の割合が多い水草なので、水草水槽のセット初期にはものすごく適してますよね。
水草水槽の立ち上げを失敗しないコツは何かって聞かれたら、ロタラを山のように大量に植えることって言っておいてもそれほど間違いってことはないでしょー。
セット初期のソイルから滲みだす栄養分を吸いまくってくれるので。
本当に大量に植えれば、硝化バクテリアが充分に増えてなくても、こいつらがアンモニウムを吸っちゃうので大丈夫なんじゃないかな??…って保証はしないけど。
うちの今の60水槽はいきなり立ち上げから水質良好だったけど、これはロタラの量が無関係だったとは思えない。…もちろん前の水槽からできるだけバクテリアを引き継ぐいろいろな工夫もしているけど。
ちなみに本当に成長力・水中の栄養分を吸い取る力を期待するなら、グリーンロタラよりもロタラ ロトンディフォリアの方が遥かに強力らしいです。私は育てたことがないけど。
 
長期的に維持していると成長力は落ちてくるけど、葉面吸収の割合が多いので、底床をいじらなくてもエサの量(窒素供給)や液肥(カリウムなど)とかでコントロールしていくことも可能。
 
トリミングを繰り返して下のほうの葉がすっかりなくなって弱ってきたら、根本からカットして差戻ししたほうが良いですね。
...もっとも下葉が落ちすぎるのは大抵はカリ不足が原因なのだけど。
 
肥料が少なくて溶けちゃうということは殆ど無いけど、でもそれなりの速度で成長させていればかなりの肥料喰いなのは間違いないです。
ロタラの草姿が小さくなってきたと思ったら窒素不足を、
枝垂れ・這わなくなってきたと思ったらリン不足を、
なんとなく下葉の方が白くなってきたと思ったらカリ不足を疑いましょう。
 
泥化した底床でも大丈夫って書いたし、そもそも水田雑草扱いされてきた水草だけど、底床が泥化してくると若干調子は落ちますね。
水中の栄養がしっかりしていれば、パッと見の調子は悪くなさそうに見えるのだけど、根元のほうが貧弱になってきます。
軽く引っ張っただけでスグに抜けるようになっちゃったりね。
もともと根張りがそれほど強力な水草じゃないのだけど、新しいソイルに植えてちゃんと根が張ってる時は、軽く引っ張ったくらいじゃ抜けないですから。
このあたりは、もともと水田雑草扱いされてたものでも、泥化したほうが調子が良さそうに見えるヘアーグラスブリクサなどとかとは大違いです。
 

ロタラといえば、頂芽が著しく委縮することってありますよね?

頂芽の萎縮・縮れ

CaMg液肥

コメント: 0