ブログ記事(2013.5.15)から転載。

 

 

高水温対策

IMG_1254.jpg最近は、日中にヒーターが点灯しなくなりました。
昨日も水温27度になっちゃってたし。

そろそろ、クーラーとか高温対策器具を引っぱり出してこないといけない時期ですね。
ってことで、クーラー設置しました。まだ殆ど作動しないけど。

ブログのタイトルに、metabolism…新陳代謝とか付けているけど、代謝速度を決めるもっとも重要なとも言えるものが、水温のハズです。
生物はケミカルマシンだから、温度で反応速度が変わっちゃうわけですから。

でも、本当に温度そのものが問題なのかと言うと、例えば、こういうことを聞いたことないですか?

夏場の池などで、魚が大量に死ぬことがある。
でも、それは暑い日中におきるよりも、多くの場合が夜のうちにおきる。

なぜでしょう?

これってつまり温度じゃなくて酸欠で死んでるんですね。

温度が上がると、
殆どの生き物の代謝速度があがる(酵素の反応効率が良くなる)。より活発に活動してエサも大量に食べるようなる、
より大量の酸素を必要とするようになる…それこそバクテリアから魚まで酸素呼吸の生物はすべて。
しかし、水温があがると溶存酸素量が少なくなる。水温25度での飽和溶存酸素量は8mg/lくらい、30度では7.5mgくらい、35度では7mgくらい。
酸素の要求量は増えて水中に溶け込んでいる酸素はより少なくなるわけ。サイアク。
でも、日中はそれこそ大量に繁殖した藻とかが盛んに光合成を行なって大量の酸素を供給しているからまだ大丈夫なのだけど、
夜になると、酸素供給が止まりどんどん減っていって、多くの場合朝方とかに、酸素の要求量が大きい魚などがいっぺんに死ぬ。

実際に、水中の酸素量をマイクロバブルとかで強制的に増やしてやると、適正水温をかなり大きく超える水温で元気に飼うなんてことも出来るらしいです。高めの水温だと成長も良いし。

つまり、夏場はエアレーションしてやるってことがひとつの対策になるわけですね。特に夜は。
…私はやりませんけど。日中はCO2添加しているわけだし、消灯後もCO2が急激に抜けることでpH変動が大きくなるのがイヤだから。

ファンが意外に効果的なのって…ファンを付けてるのと付けてないのではかなり夏場の結果が違うのは、こんなところも少しは関係しているのかもしれません。
もちろん、ファンがけっこう水温を下げる効果があるのは確かですけど、同時に水面を揺らして少しは酸素供給につながってるとか(?)。

うちではご覧のとおり、クーラー入れてます。
昨夏は、ひとつはファン、ひとつはクーラーだったんですけど、もうクーラー2台入れちゃいました。
やっぱりファンだと湿度が高い時とか水温下がらないし(逆にカラっとした日だと、ビックリするくらい下がりますよね)、水槽の上で邪魔だし、ウルサイし。…ウルサイのはクーラーも同じか。

かなり迷ったんですよね。部屋のエアコンを27度くらいの設定で入れっぱなしの方が下手したら効率的なんじゃないか?室内に温風まき散らしてるってのはどうなのだ?…それでまた水槽の水温があがって…って。
水槽が幾つも…3つ4つあったら、迷わず部屋のクーラーなんですけど、2つですからね~。

これ、昨年、クーラー入っている方がヒジョーに安心していられたってのもあるのですけど、最大の理由は、家族の理解・行動ってことを考慮して決めちゃいました。

家族の中では、水槽の事とその他の家の事は切り離して考えてくれます。「これやらないと魚がヤバイから」って言えば、納得します。
クーラーの爆音とかも。

でも、「部屋のエアコンをつけっぱなしにしておいて」ってのは通じないハズなんですよ。もうリクツじゃないんです。
「エアコンをいちいちオンオフするのは電気代のムダだからやめろ!30分部屋を出るとかくらいで切るな!エアコンは起動時にやたらと電気代食うけど、一度設定温度付近まで落ちて維持してるだけだと、電気消費量がいっきに減るのだから」って、何度となく説明しても、いちいち切るんですよね。「もったいないから」って。
「もったいないと思うなら、カーテン閉めるとかドアを閉めるとか、そういうことの方が大事だぞ」って言っても、これも通じないですね。
「スイッチを切ってる」ということが大事なんですね。

こういう人たちは、肝心なときに絶対エアコン切りますね。

それと、我が家はみんなかなりの寒がりだけど暑がりじゃない…むしろクーラー嫌いってのもあります。真夏日でも寝る時とかタイマー1時間つけるくらいで寝ちゃいます。日中も付けてない日の方が多いくらいで。暑いのヘーキなんです。
さすがに仕事部屋はずっと付けてますが(カラダはヘーキでも、さすがにアタマは暑いと動かなくなる)、それでも殆ど常に28とか29度の設定ですから。

話がかなり水槽からそれましたが、そんなことでクーラー付けてるわけです。

キャビネット内にクーラー2台押し込んでるように見えるかもしれませんが、以前に水槽台で説明したように、この台は4面開いてます。キャビネットじゃなくて、前にドア状のものがついたテーブルでしかありません。その前についていたドアも取り払いました。これから9月いっぱいくらいまで見た目は悪いけどドア無しですね。IMG_1255.JPG

40cmタンクに付いているのが、テトラクールタワー CR-2 NEW。ベルチェ式なので効率は悪いんですが、20リットルくらいの水量なので充分ちゃんと冷やしてくれます。
60の方は、ゼンスイ ZC-100。こっちはコンプレッサー使ったちゃんとしたやつですね。この手のの中では静かってことで買ったんだけど…まーどれもみんなウルサイのは一緒ですね。

どちらも設定温度は27度。
(ウチでは絶滅しちゃったけど)ヤマトがなんとか耐えられる、シダ類とか高温に弱い水草がなんとか耐えられる…っていう温度ですね。
理想を言うなら26度くらいにすべきなのだろうけど、1度設定温度が違うだけで、クーラー動いている時間はまるで違いますからね。
省エネってのもありますが、とにかくウルサイですから。

ちなみに消費電力は、CR-2が140W。
遥かに冷却能力が高いZC-100は95W。ヒーターと変わらない。もちろん実際に稼働している時間も少ない。
ベルチェ式がいかに効率悪いかってことですね。ちなみに動作音(ファンの音)もZC-100の方がCR-2と比べればずっと静かだと言えます。
ベルチェ式のメリットとしては、本来、簡単な構造で安く作れる、コンパクトにつくれるってのに加えて、
静かな動作音…にできるはずなのだけど、これはファンが爆音なので意味なしです。
巨大なヒートシンクつけるとか、そういう方向には出来なかったのかな?
実際のセールスでは、コンパクトさの方がアピールするのだろうとは思いますけど。それにでっかいアルミ製ヒートシンクとか付けたら、値段もあがって、せっかくの安さアピールにも響くだろうし。

クーラーに関しては、かなり根本的に不満が幾つかあるんですけど…メーカーのせいじゃないけど…その第一は、やっぱり「部屋に温風吹き出して、結局は水槽の温度を上げる。でもって、もっと部屋に温風を吹き出す」っていうデフレスパイラルな構造ですよね。
排熱を屋外に出すとか、機器ごと外に出しちゃうとか、そんなことが出来ればいいんだけど、マンション住まいだとね~。
実家なら、やろうと思えばできるけど。

もうひとつはクーラーを一台にまとめちゃいたいのに
ってことですね。
これ、ネットをたらたら見て回ってると、実際に複数台の水槽を一つのクーラーで冷やしているっていう人を見かけます。

やり方は、
水槽→フィルター(ポンプ)→発泡スチロールなどで作った熱交換のための水槽→水槽
ってなっていて、
この熱交換のための水槽にクーラーが接続されている。
熱交換のための水槽の中には、フィルターからのパイプ、クーラーからのパイプの先が、それぞれアルミパイプをクネクネ曲げてつくった放熱器になっていて、それが水槽内に入っている。
これで効率がどうなのか?は、ちょっと分からないですけど、もしかしたら、各水槽に1台ずつクーラー付けるよりも効率がいいんじゃないか??なんて思ってます。
もちろん、水槽ごとに設定温度変えるとかそういうことはできないけど。

まーそんなことをいろいろ調べたり考えたりしてても、実際に狭い今のウチの中でやろうとは思わないのですけどね。
いずれ田舎暮らし…実家に戻って暮らすようなことでもあれば、考えてるだけです。
…もしかしたら、その時は水槽部屋まるごとエアコンなのかもしれないけど。

そうだ、それと、あともうひとつ。
なんでクーラーの排気は背面なんですかね?
吸気と排気じゃ排気のほうが問題でしょ?
それで、できれば背面を壁に近づけたいじゃないですか?
それならやっぱり操作パネルとかがある前の顔の方を排気にして欲しいですよ。クーラー周辺に熱がこもるよりも少しは遠くに熱を飛ばしてほしいもの。
もちろん家族はイヤがりますけどね。熱風が来るってのは。