ブログ記事(2013年05月12日)を転載。

 

 

エアレ式のスポンジフィルター

以前に、「ゼロスタートする人がいるなら、なんてアドバイスしようか?」ってのを書いたけど、あれって本当にちょっと魚を飼ってみたいだけの人には通じないアドバイスだよね。

私も最初は、子供にメダカの繁殖を見せてやりたかっただけで始めたので、当時の私にあんなアドバイスされたって、「そんな大げさな~…めんどくさそう」って思うだけだったと思うよ。絶対に受け入れなかったね。CO2とか、外部フィルターとか、クーラーとか、かなりの照明とか。

水草水槽をやろうとすると、あーいう方向に行かざるを得なくなっちゃうのだけど、「ちょっと魚を飼ってみたい。ちょっとは水草も入れたい。」ってだけなら、もっと適切なアドバイスはあるハズ。

CO2入れないとキレイに大量に育てられないような水草を放棄しただけで、ものすごく敷居が低くなる。
本来「湿地性」の水草を無理に育てたりしないで、本来「沈水性」が強いヤツを中心にすれば、CO2無くても(大量には無理だけど)そこそこちゃんとキレイに育てられる。サジタリアの系統の一部とかミリオフィラムの系統の一部とかモスとか…そこそこ、見ようによってはかなり選択肢はある。

40cmくらいの規格水槽に、赤土系の肥料分の少ないソイル、適当な照明、あとフィルターで済んじゃう。

60cm規格水槽より大きいと、キャビネットも専用のじゃないとヤバイけど、40cmなら(深くて水量があるのは別だけど)フツーのリビングにあるキャビネットとかでも大丈夫だし。…あまりにヘナチョコなのじゃなければ。

それで問題はフィルターですよ。

CO2を入れる・水草を密に植えるなら水流もけっこう気にしなきゃいけない水草水槽だと、外部フィルター以外の選択肢はあり得無いのだけど、そうじゃないなら選択肢はいっきに広がる。

そういう時に、私だったら、「これにしておけ!」ってのが、エアレ式のスポンジフィルターなんですよね。
実際、そこそこの期間、CO2入れてない水槽は、これ使ってたし。
具体的には、30cm水槽に「Nanoスポンジフィルター LS-30」ってヤツ。ほんとお世話になりました。水槽もすごく安定していたし。

スポンジフィルターを選ぶメリットは、
●細かい目のスポンジに酸素をたっぷり含んだ飼育水がゆっくり通る。
これ以上に理想的な生物濾過ってないでしょう?スポンジより遥かに大きい外部フィルターにぜーんぜん負けてないはず。
外部フィルターの方がスゴイに決まってるって思ってる人は、ちゃんと能力比べてみたことありますか?…そりゃ私も環境揃えてせーのって比べてみたことはないけど、経験的には、絶対負けてないです。
硝化バクテリアは、大量の酸素を必要とします。
だから、かなりのエアレーションをやっているか、大量の水草が活発に活動していて大量の酸素を出しているか、このどちらかの条件を満たしてなければ、どんなに濾材が多くてもモーターが強力でも意味ないですから。
●物理濾過能力はほとんど無いとかっていう説明を時々見かけますが大ウソです。
そりゃーでかいゴミは取れないけど(それは他のだって同じだし)、水中の濁りとかは、外部フィルターだって、バクテリアが出す粘膜のネバネバが捉えているんです。そういう点では、ほとんど活性炭による化学(吸着)濾過じゃんっていう外掛けなんかより、いったん立ち上がれば物理濾過力は高いです。もちろん水の黄ばみは、活性炭みたいには取れないけどね。
●メンテナンスがとっても簡単で、殆どサプライを必要としない。
水換えの時にスポンジをサクって抜いて、飼育水でちょっとモミモミして、またサクっと差し込めば終わり。ついでにガラス面もスポンジで拭いちゃえばいい。濾材カセットを頻繁に換えましょうなんていう面倒くさいことはないです。…換えるのは面倒なくても、買いに行くのが面倒でしょ?
●水中モーターを使う・上部を塞いじゃうってのは、夏場対策考えたらかなり、かなーり良くないですね。それに常時ボコボコやってるってのは、クーリング効果もちょっとは期待出来ます。
●「水心」のような静かなエアーポンプを使えば、かなり静かに出来ます。…もちろん常に泡が弾ける音はしているけど、水の音はモーターの音と違ってそれほど不快でもないでしょ?
外掛けとかは、モーターの振動が水槽のガラスを共鳴させて、イヤーな低周波出したりすることあるし。
●稚エビや稚魚を吸い込まない。

ほら、いいでしょ!スポンジフィルター最強でしょ?
あくまで水草やるんじゃなければだけど。

デメリットは…
●水槽の中で場所を取る。目立つ。…デメリットと言えば殆どこれに付きます。邪魔だと。あんなの入れたら水景も何もないと。
●泡が弾ける音がけっこう大きい。泡が弾けてしぶきがけっこう飛ぶ、かなりある。それで周囲を汚す。
●エアーポンプの選び方次第では、ポンプがかなりウルサイ。「水心」みたいな本来はすごく静かなものでもハズレにあたったりするとかなりウルサイ。なんにしてもキャビネットの中に入ったエーハイムの外部フィルターみたいな静かさは到底期待できない。
●とにかく安い!かなり大きいのを買っても1000円でお釣りが来ます。… ハズなのだけど、静かでパワーの有るエアーポンプとか逆止弁とかエアーチューブとかって買って行くと、実は外掛けとかよりずっと高くなります。って言っても、3000円にはならないですけど。外掛けはベラボーに安いですから。
値段の問題より、オールインワンになってないめんどくささ・わかりにくさがエントリー相手だとダメなんだろうな~。
●キチンと生物濾過が立ち上がるのに...フィルターが機能しだすのに数週間の時間がかかる。...もっともそれは外部フィルターとかでも同じだけど。

って感じです。

ところで、外掛けですけど、今や殆どエントリーセットの定番ですよね。確かに簡単オールインワン、コンパクトで、水槽の中や上が比較的スッキリするし、カセット換えるだけだから手も汚さない。…って言っても、水槽やる限り水換えとか手を汚さずに済むなんてことはないのですけどね。
殆ど活性炭に頼るから、立ち上げも比較的安全だし。
そりゃー売れるわけです。

でもねー、外部フィルターでろ材量にこだわるような人なら、あれはおかしいと思いませんか?あんなので大丈夫なのか?って。

それがけっこう大丈夫なんですよね。たったあれだけで。
私もいちばん最初はアレをつかったクチですから。
知人も使ってたし。大丈夫なんです。

実のところ生物濾過だってけっこうちゃんと出来てるんですよ。
活性炭換えないで、中の活性炭捨てちゃってウールの袋だけで回してるだけでも、立ち上げから充分期間が経ってれば、そこそこ大丈夫なんです。

ここからは想像ですけど、きっと酸素を含んだ水流と水槽の中にバクテリアが定着できる場所があれば、それで良いのじゃないか?ってことです。
実際、ソイル使ってれば、ソイルは多孔質ですから、少しは酸素含んだ水流さえあれば大量の硝化バクテリアが定着するハズです。さらに飼育水中にもかなりの割合のバクテリアがいるらしいです。

水作エイト使ったことあります?
あれも、おそろしく簡単なつくりですよね。
確かにアレにもカーボンカートリッジが入ってるんですけど、あれはカートリッジ換えないでずっと使ってる人がいっぱいいますよね。

それでも金魚とかメダカとかちゃんと飼えちゃう。
金魚なんて、かなりの大食漢なのにね。
つまり、生物濾過が効いてるんです。
カーボンカートリッジは立ち上げ期をしのぐためのものってことですね。

シンプルでいいよな~…カッコ悪いけど。

方やウチの今の水槽。
ウチのに言わせると、「なんかいろいろ付いてて集中治療室みたい」だそうです。
男の子ゴロロとしては、それはそれでカッコイイわけですが、
みようによっては、かなりブザマですね。

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追記。ちょっとフィルターについて思うところを。

外部フィルターの能力をちゃんと引き出そうと思ったら(というよりも、少しはあの大量の濾材を機能させようと思ったら)、
大量の水草が大量の酸素を水中に放出している
か、または、
ディフューザー、エアレーションなどの積極的な酸素供給のしくみを用意している
のどちらかがないと、
ほとんど意味が無いのじゃないかと思うのだけど。

いっそのこと、CO2の強制添加みたいに、O2の強制添加システムも作ればいいのにね。
酸素ボンベつなげて、マイクロバブルを出すっていう。
どーせ、いろーんな機材つなげてゴテゴテとなっていくなら。
養殖の世界とかだとやってたりするじゃん。

立ち上げ期とか夏場には強い見方になると思うのだけど。
夏場の水温問題って相当程度が酸素供給問題だし。