肥料分の細分化管理の是非

私は、肥料分をかなり細かく細分化して管理しています。
カリウム液肥窒素液肥CaMg液肥鉄剤... ...
なぜそうしているのかと言えば、いろいろとそれらしい理由も言えるのですけど、ホンネのホンネとしては、
何がどう作用しているのか知りたい...それ自体が私にとってのアクアリウムの楽しみのひとつの側面だからです。
つまり、そうしなければならないからという必要に迫られての必然ではなくて、やりたいからやっているわけ。w
だって、何が入っているのか分からない・いろいろ配合されちゃっている市販の水草肥料を買ってきても、つまらないわけですよ。
メーカーの手のひらの上で遊ばれてるのはイヤだってね。
失敗してでも出来るだけ自分の中で発見を積み重ねながらやっていきたいわけです。

 

で、結果的にこの細分化管理が良いのか悪いのか?「ただキレイな水草水槽を楽しみたい」というだけの人に奨められるのか否か?というと、悩ましいところです。
やっぱりメリット・デメリットがあります。


メリットは...

  • 個々人の水槽環境に最適化した木目濃やかなケアができる。
    • 魚と水草の量のバランスによって肥料の適切な成分バランスは...特に窒素の必要量などが変わる。これに適応できる。
    • 特に肥料喰いの水草などが入っている場合、適切な環境が微妙に異なる水草の組み合わせ(ex. 硬度が欲しい水草と硬度を嫌う水草など)なども、これらの水草が特に必要とする成分を必要に応じて施肥できる。微妙なバランスを取れる。
    • GHやpHなどの水質の違いで必要な肥料分のバランスは変わるが、これに対応できる。
  • 水草や水槽内の生態系への理解が深まって楽しい。
    施肥が適切に出来て思い道理の結果が出た時は、「やったぜ!」って感じで実に気分が良い。


デメリットは...

  • 水槽全体・水草の状況の見極めを間違えると、施肥も大きく間違えてしまう可能性がある
  • 常に全体のバランスを考えながら次々と施肥を行っていく必要があるので、管理ミスを犯しやすい
    肥料を投入していたことを忘れていて重複施肥をしてしまったり、アルカリの肥料と酸性の肥料を短時間に重ねてしまうとかというミスを犯す可能性が高くなる。
  • かなり知識と経験が必要。完全な初心者だと無理。とてもマニュアル化しきれない。
  • 「総合肥料」にはマンガンなどの微量必須元素ではあるけれど比較的重要な肥料分も含まれているハズ。...確認はしきれないけれど、まともなメーカーなら入っているでしょう。
    これらを無視することにつながりがち。
  • めんどくさい。


細分化管理のやり方というのは、知識としては水草水槽をやる人が知っておいたほうが良いことばかりです。

なにか問題が起きた時に、その原因を把握することに繋がりますから。

でも、だからと言って、そうしなければならないということではないわけです。当たり前ですが。

製品として売られている水草用の総合肥料だけを使っていて、それで問題がなければその方がずっと安全で良いとも言えるわけです。

 

安易に目の前の問題だけ見て、そんなやり方もあるのか!!って、特殊な肥料に手を出して、そこから連鎖的に細分化管理への道に入っていくことが、自分にとって良いのか悪いのか?

これは一度自問自答してみたほうが良いですね。

 

細分化した施肥というのは、常に何かの必須元素だけを過剰にしてしまいバランスを崩す可能性が出てきます。

そうすると、次もまた総合肥料ではダメで、バランスを取り戻すために足りなくなった成分を選んで施肥する...といった具合に、一度始めるとどんどん連鎖的に細分化管理を徹底しなくちゃいけなくなっていくわけです。

さらに「総合肥料を使ってないから、微量必須元素を無視しているよな...マンガンとかは鉄と同じくらいは重要なハズだし...陶芸ショップでも覗いて買ってこようか...でもマンガンって過剰症もかなり問題になるし...どうやって測定するんだ??...」なんてやってると、もうほんとキリが無くなってきますよね。

 

これを好きでやってるなら良いのだけど、ただキレイな水草がみれれば良いというだけの人にはいずれ必ず負担になりますからね。

そうやって、水草水槽が嫌いになっちゃうような人が増えるのは、私としては望むところではないですから。

 

もちろん、是か非かとは書きましたけど、これはどちらも極端な考え方であって、
例えば、水草用として製品化されているカリ主体でいろいろ微量元素も含まれている総合肥料(ex.0-0-3のテトラのフローラプライドとか)を基本に使って、その上で足りないものがあれば個別に補うというのが、もっとも現実的な対応だとは思いますけど。

 

コメント: 2
  • #2

    管理人 (月曜日, 15 5月 2017 07:19)

    ジェスターさん、こんにちは。
    ようこそ 水草水槽へ。

    使っているソイルの種類や植えている水草の種類や量、光量、水換えの頻度などにも寄りますが、
    光量があって陽性の水草をびっちり育てていると、ソイル自体の養分は割と早く切れ始めることが多いと思います。それこそ2ヶ月以内とか。
    養分豊富なソイルはそれはそれで立ち上げ時の扱いが難しいですし。

    ひとことアドバイスさせてもらうなら、
    「ガマン」ですね。w
    少し症状が改善してきているけど、まだまだ...という時に施肥量を増やしてみたくなる とか
    原因が鉄なのか窒素なのか分かりにくい...両方試してみようか...なんていろいろ同時にやりはじめる とか
    こういうことしだすと、泥沼に入っていきます。
    ↑経験者です。未だにたまにやってしまいます。w

    液肥は、最低でも2週間単位くらいで様子をみながら、常に足りないだろうってくらいで様子をみながら 記録をつけてちょっとずつやっていった方が良いと思います。

    もうほんと いろいろやりたい はやる気持ちをおさえてガマンです。

    > 珊瑚のような藻

    これ、わたしも まさに水槽を始めたばかりのころ、エサだけで、カリウム添加もしていなかった時に経験しました。
    たしかイニシャルスティックだったと思いますが、カリウム主体の肥料を入れたことで 見事に消えていったことを覚えています。
    それからですね。肥料バランスって面白い!!と思い始めたのは。

    なににせよ、ようこそです。
    なにかまた気がつくことなどあったら是非教えてください。
    よろしくお願いします。

  • #1

    ジェスター (月曜日, 15 5月 2017 01:17)

    イチゴの水耕栽培から突如水槽を始めて
    2ヵ月の初心者です。
    肥料バランスの記事がたいへんためになりました。
    おかげさまで、全滅しかけた水草たちを救えました。

    水耕栽培で微量要素の入ってない肥料は使い物にならなかった経験をしていましたので(ハイポネックス液肥とか)
    チップバーンや、矮化などの欠乏症のひどいこと...
    そして濃度は濃すぎすると直ぐに根ぐされをおこしてしまうため、
    1500倍ー2000倍の濃度で肥料は充分効果があることがわかりました。

    炭酸カリウム0.05%溶液に大塚ハウス5号液肥をかなり微量、500mlのカリウム液肥に5号を5mlだけ加えて
    うすめの偽テトラフローラプライドを作ってみたのです。
    さらにそれを30リットル程度の水槽に0.5ml与えました。
    さらにカルシウム分としてハイポネックスのリキダスも0.5ml与えた結果...

    足元から葉がもげて禿げ上がっていたアンブリアや、頂点の葉が黄色くなりねじれていたルドヴィジアが一晩で赤い新芽をだし、水草は緑を取り戻しました。
    珊瑚のような藻や緑藻がソイルにまで繁茂していたのも、勢いが大人しくなりました。
    かなりカリウムが足りなかったか、
    餌やりで過剰になっていたリンを吸収させることができたのかもしれません。

    劇的に弱い抱卵中のビーシュリンプも幸いノーダメージなので、
    手作り肥料で水草を育成していきたいと思います(´∇`)
    マグネシウム液肥も作って様子をみています。
    自分の水槽に最適なバランスを見つけていきたいですね。