アクアフローラはとても良い肥料だと思っていますが、追肥で使うとどうしてもソイルを痛めてしまいます。

なので、私は現在は使用していません。

かわりに底床供給器を使って窒素液肥などを底床内に入れています。

アクアフローラの使い方

アクアフローラ。通称 "おこし"。
最近はおこし型の底床肥料がいろいろ出てますけど、まーおおよそ同じですね。入手しやすいものを使えば良いと思います。

 

これ、窒素を筆頭に、カリ、リン、マグネシウム、その他微量元素など水草に必要な栄養素をひと通り含んだ肥料を、飴状のものでコーティングした粒をかみなりおこし状にしたものですね。

飴のようなもので包んでいるのは、養分がスグに流出しないように徐々に溶け出すように、またおそらく底床内でこれを分解してくれる有機栄養バクテリアやその他微生物が活動しやすいように...あるいは直接活動しすぎないように糖質でコーティングしているのだと思います。これが薄く溶け出した周囲は良い栄養源:炭素源が豊富で微生物の活動が活発になりますし、直接表面に触れると浸透圧で苦しめられるから近寄り過ぎも出来なくて、ゆっくりジワジワと分解されて長期的に効いていくわけですね。

 

これを使う場面は、うちだと以下の2パターンです。

 

1)セット時に特別底床内の肥料に依存する水草の根本にスポット的に入れる。

2)ソイルの栄養分が切れてきた頃に、これを補うために底床内に追肥する。

 

1)は、例えば、ブリクサ、ニムファ(ロータス)、クリプトコリネ、サジタリア・エキノドルス...といった根張りが良くて底床内の肥料分に依存する割合が特に高い水草で、特別元気に育てたいっていう場合に、スポット的に根本に入れるわけです。

入れる分量を間違えると、とんでもなく巨大になっちゃうので恐ろしいですけど。

でもまー、元気が無いよりは、トリミングでいじめてサイズ調整するくらいのほうが良いですよね。

セットして数週間してから効きだして、だいたい半年くらいは効果が持続します。

一粒が大きすぎるな〜って、割って使ったりすると、一部の粒の飴のコーティングが剥がれているので、割りとスグに効きだします。

 

そうそう、肥料分が比較的少ない赤玉土系のソイルを使う場合などは、グロッソヘアーグラスなどの前景草の下にも入れておいたほうが良いです。

グロッソなども根張りの良い水草で、窒素分を大量に要求しますから。

 

2)のソイルの栄養分が切れてきたころに追肥する場合ですが、以下の様な状況であれば、追肥のタイミングだと思います。

  • ロタラなどの有茎草の草姿が全体的に貧弱になり、成長も遅くなる
  • 下の方の古い葉が葉脈も含めて早く黄色くなりはじめる
    (葉脈が緑色に残る場合は、マグネシウム欠乏など)
  • サジタリア・エキノドルス、クリプトコリネ...などの成長が際立って遅くなる。サジタリアの葉が成長する前に葉が黄色くなることがある。
  • それまで、よく這っていた・枝垂れていたグロッソやグリーンロタラが、立ち上がるようになる、立ち上がらないまでも浮き気味になる
  • 緑藻が大量に出ていない。...大量に出ているということは水が窒素過多なので悪化させる可能性がある。

この場合は、まずはカリを投入するなどしてバランスを取りなおしたほうが良いですね。

追肥のタイミングは、液肥のように慎重になる必要はありません。じっくりゆっくり効いていくので、気が付いた時が追肥のし時です。さっさと追肥しましょう。

 

追肥のしかたですが、

アクアフローラは一粒がデカすぎですよね。みっしり前景草が生えたところとかだと埋めるのも一苦労です。

それに、無理に押し込むと、バリバリとソイルが砕けるイヤ〜な音がするし...泥化が進むと思うと躊躇します。

 

背の高い有茎草エリアだとすっとソイルに埋められるんですけど、この時に、しっかりソイルの奥の方に入っているのを確認するためにはピンセットとかじゃなくて手で埋めちゃった方が良いですね。最後に人差し指でグイっと押し込んで、周囲のソイルをかけ直しておく。

 

問題の前景の場合ですが、ヘアーグラスが密生したりしたら、もう入らないですね。無理。

私は、まず第一に、アクアフローラの一つを3つ4つに割って小さくします。ハサミを当ててえいって力を入れればパリンって割れます。

次に、ハサミをソイルまで突っ込んで前景を切り開いちゃいます。ソイル面が少し見えるくらいにするわけですね。

その次に、プロホースでソイルを吸い出して穴を開けて、そこに指でアクアフローラの欠片を埋める。

上からまたソイルをかけ直して、切り開いていた水草のシートを元に戻すって感じです。

 

うちの場合は、底床の深層がパミスなので、押し込んだ分だけ砕けたソイルがパミスの間に落ちて、陥没してしまったりするので、さらに上からソイルをかけ直したりもします。

 

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底床に、長期に時間を掛けてゆっくり分解されていく肥料分を...窒素や炭素源、その他各種栄養素をたっぷり仕込んでおくという点では、やっぱりADAのパワーサンドとかは正しいのでしょうね。私は使ったことがないけど。

あれっておそらく基本はパミスに腐葉土をまぶしたものですよね。腐葉土がゆっくり分解されて窒素などを供給するわけですね。腐葉土ならそれ自体が炭素源で底生微生物の発生が促されるだろうし。

 

うちの底床の深層は、いったんフィルターのバク汁に漬け込んだパミスにピートモスを混ぜて、ほんのちょっと隠し味で黒糖ってものです。

ピートモスじゃなくて、腐葉土を入れようか迷ったのだけど、ソイルの栄養が切れたら後でアクアフローラ入れて調整しよう...立ちあげで万が一でも水が窒素過剰状態になると面倒だ!って避けちゃったんです。次はやってみよう。

 

それから、ソイルに乾燥ミズゴケを混ぜて、通水性と底床をいじった時にやたらとソイルが砕けないようにクッション性を良くするのと同時に、窒素・炭素の長期供給源にするってのも考えたのだけど...これも次回やってみよう。

乾燥ミズゴケなら、微生物分解が進まなきゃ一気に養分溶出することもないしね。

 

そういえば、アクアフローラが手に入らなかった時に、ちょっとは似たようなものを自作してみたことがあります。

 

やり方は、適当なNPK比で適当な小さめの粒のサイズの化成肥料を買ってきて、砂糖を煮詰めたもので包んで冷凍庫に入れて固めて出来上がり。

簡単で安くていくらでも出来ます。

 

でも、やっぱり恐ろしくて、1回あたりでは、相当控えめな量しか使ってないので、本当に同じようなものになっていたのか否かは分からないですけど。

もちろん少量ずつ使う分にはまったく問題ないですし、粒が小さいので前景草を切り裂かなくてもスッと差し込めますから便利といえば便利ですけど。

関連するところで、こちら(NP系液肥の底床注射)も見てみてください。

こちらは液肥なんで即効です。
もちろんその分短期間しか効かないですけど、1回あたりにソイルを砕いてしまう量は遥かに少なくてすみます。...繰り返し何度もやってたら、結局は同じですけど。

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